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テスラ、中国BYDに首位を奪われる 2025年EV販売台数

テスラによると、2025年の世界での車両引き渡し台数は約164万台、前年の約179万台から8.6%減となった。
テスラ社のイーロン・マスクCEO(ABCニュース)

電気自動車(EV)大手テスラは2025年の世界販売台数で中国の比亜迪(BYD)に首位のを明け渡した。これは同社が2025年通年で販売台数を前年から減少させた一方、BYDが大幅な販売増を記録したためで、EV市場での競争激化を象徴する出来事となった。

テスラによると、2025年の世界での車両引き渡し台数は約164万台、前年の約179万台から8.6%減となった。これは2年連続の販売減であり、主力モデルの「モデル3」や「モデルY」などが競合車に押される形となった。特に2025年第4四半期(10~12月)では、約41万8000台の引き渡しにとどまり、前年同期比で約15.6%減少した。多くのアナリストが予想していた数字も下回った。

一方で中国のBYDは2025年販売で約226万台を達成し、テスラを上回った。BYDの成長は国内外での販売拡大が背景にあり、とくに欧州市場での伸びが著しい。BYDは2025年に中国以外の市場で約100万台の販売を記録し、前年比で大きく増加したことも首位交代を後押しした。

テスラの販売減少には複数の要因が挙げられている。最大の要因は米国での連邦政府によるEV税額控除の終了であり、これにより消費者の購入意欲が低下したとみられる。また、北米や欧州市場ではBYDやフォルクスワーゲン、BMWなど中国・欧州勢との競争が激しくなり、テスラ車のシェアが圧迫された。欧州では特にブランドとしての魅力の低下や、マスク(Elon Musk)CEOの政治的発言に対する反発が消費者の購買行動に影響したという指摘もある。

こうした需要の弱まりを受け、テスラは2025年10月に「モデル3」と「モデルY」のベース価格を従来より約5000ドル引き下げた廉価版を投入し、販売回復を図った。しかし一部投資家からは、十分な価格戦略や新たな量産モデルの投入が必要との声も出ている。

テスラは自動車事業の低迷にもかかわらず、エネルギー貯蔵事業では記録的な14.2ギガワット時(GWh)を展開するなど別部門で成果を上げている。また株価は2025年通年で約11%上昇し、投資家の間では自動運転タクシーやヒューマノイドロボットなど将来技術への期待が依然として根強い。

今回の結果は、電気自動車市場が成熟しつつあることを示すと同時に、テスラが自動車販売依存からの脱却を迫られている現実を浮き彫りにした。テスラが今後どのように競争力を回復し、BYDや欧州勢と戦っていくかは今後の業績と市場戦略にかかっている。

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