米最高裁判所「トランプ関税は違法」大半が無効に
最高裁はIEEPAに「関税を課す権限」は含まれておらず、関税は立法府である連邦議会の専権事項であると判断した。
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米最高裁判所は20日、大統領に広範な関税を課す権限を認めた国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく「トランプ関税」の多くについて、その適用を違法・無効とする判決を下した。判決は6対3の保守派・リベラル派混合多数で示され、保守派のロバーツ(John Roberts)首席判事が主文を執筆した。最高裁はIEEPAに「関税を課す権限」は含まれておらず、関税は立法府である連邦議会の専権事項であると判断した。これにより、トランプ(Donald Trump)大統領が世界各国を対象に課した関税の約70%が効力を失った。
最高裁は判決文で、IEEPAの条文が「輸入の規制」を認めるとしても、これを関税という形式の課税権限にまで拡大解釈することはできないと述べ、憲法の下で税・関税権は議会の専権であるとの原則を重視した。ロバーツ氏は「我々が主に経済や外交の専門家であると主張するものではないが、憲法に明示された役割を果たす」と述べている。多数意見はトランプ政権が主張したIEEPAによる権限付与の解釈は行き過ぎであると結論付けた。
これに対し、3判事は反対意見を示し、国家非常事態下では大統領に広範な権限を認めるべきだと主張した。彼らはIEEPAの文言や歴史的な行政権限の延長を根拠に、関税権の行使も許容されるとした。
今回の判決でIEEPAに基づく大規模な「相互関税」や、薬物・移民危機を理由に課した一部関税措置などが効力を失う。これらの関税はEU、日本、韓国、カナダ、メキシコなど多くの国・地域との貿易に影響していたが、最高裁の判断で無効とされた。
ただし、別の法律に基づく関税措置、例えば「通商拡大法232条」に基づく鉄鋼・自動車・アルミニウム関税などは有効性が維持される見込みであり、こうした分野別の関税には影響しないとの見方もある。政権側はIEEPA以外の法的根拠を用いて再度関税措置を打ち出す可能性を示しているが、手続きは煩雑になると予想されている。
判決はトランプ氏の経済政策に対する司法からの明確な制約と受け止められている。関税が無効とされたことで、すでに徴収された関税収入に対する返金請求や訴訟が相次ぐ可能性が指摘される一方、消費者や企業への価格負担軽減につながるとの見方もある。国際的には各貿易相手国が今回の判断を受けて対応を調整する動きがある。
