◎南アは今年8月にブラジル、インド、中国、そしてロシアの5カ国で構成される経済グループ「BRICS」の首脳会議を主催する予定だ。
米国のブリゲティ(Reuben Brigety)駐南アフリカ大使は11日、南アがロシアに武器を供与したと明らかにした。
同大使によると、昨年12月にケープタウン近郊の海軍基地に停泊したロシアの貨物船が南アの武器や弾薬を積み込み出港したという。この貨物船を所有する企業は西側の制裁下に置かれていたようだ。
ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は11日の国会演説で、ブリゲティ氏がこの問題を公表する前から米情報機関の協力の下、水面下で調査を進めていたと説明した。
ブリゲティ氏によると、このロシア船は昨年12月6~8日の間にケープタウンの海軍基地で武器や弾薬などの軍事機器を積み込み、ロシアに向かったという。
ブリゲティ氏は記者会見の中で、「これはロシアのウクライナ侵略における南アの中立的な立場と、戦争終結の呼びかけに疑問を投げかけるものである」と断じた。
大統領府は声明で、「貨物船に武器が積み込まれたことを裏付ける証拠は現時点では確認できていない」と述べている。
AP通信は「ロシアの軍事品輸送に関与したとされる米国制裁下のロシア企業がケープタウンの基地に停泊し、武器や弾薬を輸送したことを立証する証拠がある」と報じている。
野党議員はラマポーザ氏の演説後、「我が国は罪のない人々を殺害し、傷つけているロシア兵を積極的に武装させているのか」と質問。ラマポーザ氏は「この件については捜査中であり、現時点で答えられることはない」とした。
南アは今年1月、ロシアのラブロフ(Sergei Lavrov)外相を招いて会談を行い、ウクライナと西側政府を非難する場を提供した。
その数週間後、南アはロシアおよび中国海軍との合同軍事演習を許可した。ラマポーザ氏は当時の会見で、「ロシア・中国との関係を強化する」と述べていた。
さらにラマポーザ氏は国際刑事裁判所(ICC)がウクライナの子供の違法連行をめぐる戦争犯罪の疑いでプーチン(Vladimir Putin)大統領の逮捕状を発行したことについて、「プーチン氏が入国しても逮捕せず、代わりにICCから脱退する」と示唆した。
南アは今年8月にブラジル、インド、中国、そしてロシアの5カ国で構成される経済グループ「BRICS」の首脳会議を主催する予定だ。