麻薬王エル・チャポの息子、司法取引に応じ罪認める意向 米イリノイ州

グスマンは25年間にわたり米国にコカインや他の麻薬を大量に密輸したとして、終身刑に服している。
メキシコ、シナロアカルテルの最高幹部である麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン容疑者(Getty Images)

メキシコの麻薬組織「シナロア・カルテル」の最高幹部である麻薬王エル・チャポことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子が司法取引に応じ、罪を認める意向を示している。米メディアが1日に報じた。

検察はオビディオ・グスマン・ロペス(Ovidio Guzman Lopez)とその兄弟ホアキン・グスマン・ロペス(Joaquin Guzman Lopez)がシナロア・カルテルの派閥「ロス・チャピトス」を率い、合成麻薬フェンタニルを米国に密輸したと主張している。

2人の父親であるグスマンは25年間にわたり米国にコカインや他の麻薬を大量に密輸したとして、終身刑に服している。

オビディオは2023年にメキシコで逮捕後、米国に引き渡され、イリノイ州シカゴの連邦裁判所で資金洗浄(マネーロンダリング)、麻薬、銃器関連の罪で起訴された。

オビディオは当初無罪を主張していたが、オンラインの裁判記録によると、検察との司法取引の一環として7月9日に出廷し、罪を認める予定。

この司法取引は昨年10月の公聴会でその可能性が明らかになった。

オビディオは終身刑を回避するために取引に応じたとみられる。

ホアキンも米国で勾留されている。

もうひとりの幹部である70代の「エル・マヨ」ことイスマエル・サンバダ(Ismael “El Mayo” Zambada)は昨年7月に米テキサス州で逮捕された。2人はいずれも無罪を主張している。

この3人の逮捕をきっかけに、シナロア・カルテルの本拠があるメキシコ北西部シナロア州では暴力が激化。カルテルの構成員など、数十人が死亡した。

トランプ政権は2月、シナロア・カルテルやその宿敵であるハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定。今月初めにはロス・チャピトスも外国テロ組織に指定した。

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