米議会上院、トランプ政権の「麻薬密輸船」攻撃を制限する法案否決
採決の結果、共和党議員2人が賛成に投じたものの、賛成49ー反対51で否決された。
とヘグセス国防長官(Getty-Images/AFP通信).jpg)
米連邦議会上院は6日、海軍による「麻薬密輸船」への攻撃を制限する法案を反対多数で否決した。
法案を起草したバージニア州選出のケイン(Tim Kaine、民主党)議員は採決に先立ち、「トランプ(Donald Trump)大統領に説明を求める必要がある」と訴えた。
採決の結果、共和党議員2人が賛成に投じたものの、賛成49ー反対51で否決された。
米海軍は9月、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに15隻の麻薬密輸船を爆撃した。
一連の攻撃による死者は66人にのぼっている。
トランプ氏は麻薬カルテルと戦争状態にあると宣言し、それをテロ組織に指定することで、一連の攻撃を正当化してきた。
これはジョージ・W・ブッシュ政権がテロとの戦争に使用したのと同じ法的権限に基づいている。
民主党はこのような攻撃を実行するにあたり、議会により強力な権限を与えるよう求めている。
一部の共和党議員もカリブ海および東太平洋における麻薬密輸船への攻撃が続いていることについて、トランプ政権により多くの情報を提供するよう求めてきた。
法案は攻撃を行う際、議会の承認を必要とするとし、ベネズエラ領土への攻撃を未然に防ぐ内容となっている。
上院外交委員会の委員長である共和党のリッシュ(Jim Risch)議員は「トランプ大統領は米国民を致死性麻薬から守るため断固たる行動を取っている」と述べ、空爆を擁護した。
賛成に投じた共和党のティリス(Thom Tillis)上院議員は原子力空母ジェラルド・R・フォードを中核とする打撃群の南米沖展開に疑問を抱いていると表明。空母の配置場所の変更にはかなりの費用がかかると指摘した。
またティリス氏は違法薬物の取り締まりを擁護したうえで、「空母打撃群がそれに貢献できるかどうか真剣に議論しなければならない」と述べた。
