SHARE:

米国でまた政府閉鎖、下院の協議難航、移民税関捜査局(ICE)の扱いで対立

上院は前日、トランプ大統領と民主党の協議により、大半の政府機関を9月末まで継続する1兆ドル規模の歳出法案を賛成多数で可決したものの、国土安全保障省(DHS)については現行レベルの財源を2週間延長する措置を設けた。
米ワシントンDCの連邦議会議事堂(AP通信)

連邦議会で政府予算を巡る協議が決裂し、部分的な政府機関閉鎖が発生している。1月30日、連邦政府の2026会計年度予算の一部が期限切れとなった。上院は前日、トランプ(Donald Trump)大統領と民主党の協議により、大半の政府機関を9月末まで継続する1兆ドル規模の歳出法案を賛成多数で可決したものの、国土安全保障省(DHS)については現行レベルの財源を2週間延長する措置を設けた。これは移民税関捜査局(ICE)などの運用に関する民主党の要求を協議する時間を確保するための「つなぎ」策である。

しかし下院では、与野党双方の対立が激化しており、予算案の最終採決が遅れている。特に民主党は上院で可決された歳出法案の迅速通過に協力しない考えを明確にした。民主党のジェフリーズ(Hakeem Jeffries)下院議員は1月31日、共和党のジョンソン(Mike Johnson)下院議長に対して、民主党はこの法案を「迅速採決」方式で進めることに反対する旨を伝えたと明らかにした。これにより、法案通過に必要な下院の手続きが複雑化し、政府機関閉鎖が当初予想よりも長引く可能性が高まった。

ジェフリーズ氏は記者団に対し、民主党が協力しない理由として、上院案に含まれるDHSへの2週間延長措置が十分ではなく、移民取り締まり機関の改革について「真に意味のある」取り決めが盛り込まれていないと指摘した。また、民主党はICEや国土安全保障省の透明性・責任強化を求める観点から、補強措置の明確化を主張している。ジェフリーズ氏は「民主党は共和党に歩み寄るために動いているが、議論と合意がないまま急いで法案を通過させることには賛成できない」とコメントした。

共和党内でも意見が分かれている。法案を支持する議員グループは政府閉鎖による影響を最小限にとどめるためにも早期の成立を目指している。一方、保守派の一部議員は歳出内容や付帯条項に不満を抱いており、単独での可決には慎重な姿勢を示している。このため、ジェフリーズ氏の姿勢は共和党指導部にとっても予想外の困難要因となっている。

今回の政府閉鎖は2025年に史上最長となった43日間の閉鎖以来、再び議会運営の不調を露呈させるものとなった。部分的な閉鎖は国家安全保障、税関・空港保安、災害対応を含む複数の連邦機関に影響を与え、職員の給与遅延やサービス停滞などが生じている。特にDHS関連の資金が2週間後に再び期限を迎えるため、議会内での追加交渉が焦点となる見通しだ。

民主党指導部は今後、党内会議を実施し、対応方針の統一を図る予定である。ジェフリーズ氏の決断は民主党内の強硬派の意向を反映したものとの見方もあり、与野党ともに妥協点を見いだせなければ、政府機関閉鎖はさらに長期化する可能性がある。共和党は民主党の支援を得られない状況で、法案成立のために単独での策を模索する必要に迫られている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします