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妊婦が自動運転タクシー内で出産、母子ともに健康 米カリフォルニア州

母親は8日夜、出産のために医療センターへ向かうため、ウェイモの自動運転タクシーを手配した。
米グーグル系の自動運転車開発企業ウェイモの自動運転タクシー(Getty Images/AFP通信)

カリフォルニア州サンフランシスコで完全自律走行タクシーに乗っていた妊婦が目的地に到着する前に出産するという異例の出来事が起きた。グーグル系の自動運転車開発企業ウェイモが10日、明らかにした。

それによると、母親は8日夜、出産のために医療センターへ向かうため、ウェイモの自動運転タクシーを手配した。ところが移動中、車内で“異常な動き” を示す状況がリモートのサポートチームにより検知されたという。

チームはすぐに乗客に電話をかけ、異変を確認。同時に通報 (911) した。その後、救急隊が到着する前にタクシーが病院に着き、母子は無事搬送された。

ウェイモの広報担当者は声明で、「これは同社の車両で生まれた最初の赤ちゃんではない」「同社は生まれたばかりの赤ちゃんから人生の長い旅路の途中の人まで、さまざまな顧客を安全に運んできた」と述べた。なお「どのようにして異変に気づいたか」は明らかにされていない。出産に立ち会ったタクシーは直ちに運用から外され、清掃と消毒が行われた。

この出来事はロボタクシーが批判や論争の的になってきた中での“明るいニュース”として、広く報じられた。ウェイモのロボタクシーはこれまで、交通違反や動物との衝突、“違法なUターン”など、否定的な報道もあった。だが今回のような「命に関わる重大な局面」で役割を果たしたことで、同社の技術やサービスに対する見方が変わる可能性がある。

一方で、この種の“車内出産”自体は極めて珍しく、ウェイモもその稀さを強調している。とはいえ、完全自律で移動できるタクシーが、予期せぬライフイベントに対応できたという事実は、今後の自動運転技術や公共サービスにおける可能性を示すものだ。ウェイモが今後どのように安全性や信頼性を維持しながらサービス展開を進めるか、注目される。

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