◎サンディエゴは米国とメキシコの国境に近い。
米カリフォルニア州当局は12日、サンディエゴの沖合でボート2隻が転覆し、8人が死亡したと発表した。
現場は観光客の少ないブラックスビーチ沖。事故は11日に発生した。
沿岸警備隊によると、消防に通報した人は「8人乗りのボートに乗って岸にたどり着いたが、8~10人を乗せたもう1隻が転覆した」と伝えたという。
通報者とボートに乗っていた人々の身元・国籍は不明である。
現場で捜索活動に当たったサンディエゴの救助隊責任者は記者団に対し、「これまでに8人の死亡を確認した」と語った。
また隊長は「犠牲者の国籍と身元は分かっていないものの、全員成人」と説明した。
AP通信によると、沿岸警備隊と関係機関が周辺海域を捜索し、ボート2隻を発見したという。捜索活動は12日朝まで続けられた。
沿岸警備隊はツイッターに声明を投稿し、「この海域は潮の流れが速く危険」と警告した。
救助隊は生存者を見つけられなかった。隊長は「救急隊が到着する前にビーチを離れた人がいるかもしれない」と述べた。
サンディエゴは米国とメキシコの国境に近い。米政府は不法移民の流入を阻止するために、市の南側の海とビーチにフェンスを設置している。
カリフォルニア州の国境警備隊によると、サンティエゴでは過去5カ月、移民の不法入国や人身売買など、移民関連の事件が数百件摘発されているという。
サンディエゴ沖で2021年に発生した移民ボートの転覆事故では4人が死亡している。
サンディエゴでは米英豪の安全保障枠組み「オーカス(AUKUS)」の首脳会議が開催される予定だ。
スナク(Rishi Sunak)英首相は今週、ドーバー海峡を頼りないボートで渡る移民の入国を阻止する新たな政策を発表した。