◎デサンティス氏は2024大統領選の共和党候補のひとりであり、トランプ前大統領と激戦を繰り広げると予想されている。
トランプ米大統領とフロリダ州のデサンティス知事(Bloomberg)

フロリダ州のデサンティス(Ron DeSantis)知事は10日、州議会で可決された法案に基づき、不法入国した移民を米国内の好きな地域に移動させることができる権限を与えられた。

地元メディアによると、共和党が多数派を占める州議会はこの物議を醸す法案を可決し、デサンティス氏のもとに送ったという。

フロリダ州は昨年、南部に押し寄せてくる移民を民主党が多数派を占めるマサチューセッツ州に飛行機で送り込んだ。

南部テキサス州はニューヨークやワシントンD.C.に移民を送り込み、メキシコと国境を接する南部の窮状を理解するよう促した。

デサンティス氏は2024大統領選の共和党候補のひとりであり、トランプ(Donald Trump)前大統領と激戦を繰り広げると予想されている。

一方、フロリダ州議会は同州最大の民間雇用主であるディズニーのテーマパーク開発などを監督する委員会の権限もデサンティス氏に付与した。

デサンティス氏はリベラル派のディズニーを敵視し、「フロリダ州で仕事をしたいのであれば、共和党の意向に従わなければならない」と圧力をかけている。

この州法案はディズニーリゾートとその周辺地域の開発を監督する委員会の権限を州知事に与えるものである。ディズニーはテーマパークの増設やホテル建設などを行う際、委員会の承認を得なければならず、敵対するデサンティス氏にその決定権が与えられると、開発が難しくなる可能性がある。

デサンティス氏は今週初め、この法案に言及し、「街に新しい保安官がやってくる」と語った。「テーマパーク(ディズニー)と一緒に素晴らしい仕事ができることを楽しみにしています」

デサンティス氏は昨年、マサチューセッツ州のリベラル派が多く住む裕福な地区に移民を飛行機で送り込んだ。

民主党員はこれに猛反発。人身売買に等しい行為と糾弾した。

しかし、フロリダ州とテキサス州の議員はメキシコ国境から遠く離れたエリート地域のリベラル派は「移民の波」がもたらす混乱を理解しておらず、他人事のように振る舞っていると反撃し、裕福な地域に無料のチャーター便を提供することは良いことだと主張した。

南部アリゾナ州も不法移民をバスでニューヨーク、シカゴ、そしてワシントンD.C.に送り込んだ。

ニューヨーク市長は当初、移民を歓迎したが、昨年7月、その数が急増し、対応に苦慮している連邦政府に訴えた。

ニューヨーク市は最近、移民のためにカナダ行きのバスチケットを購入した。

国境警備局の統計によると、昨年国境を通過した不法移民は276万人を超え、統計を取り始めて以来、初めて200万人の大台を超えたという。

バイデン政権は先月、不法入国を劇的に減らすと予想される新しい規則を導入した。この規則はキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの亡命希望者を毎月3万人受け入れ、2年間の労働許可を与えるとしているが、許可を得るためには身元確認を含む「正規の入国手続き」をクリアしなければならない。

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