◎デサンティス氏は予備選の有力候補のひとりであり、トランプ氏の最大のライバルと目されていた。
米大統領選に立候補した共和党のデサンティス（Ron DeSantis、45歳）州知事が21日、共和党予備選から撤退し、トランプ（Donald Trump）前大統領の軍門に下った。
デサンティス氏の支持率は1桁台にとどまっていた。
デサンティス氏はフロリダ州出身のイタリア系アメリカ人。エール大学で歴史学を専攻したのちハーバード大学ロースクールに入学。在学中の2004年に海軍に入隊し、2007年にはイラクに派遣された。
2012年に連邦下院議会選で初当選を果たし、18年のフロリダ州知事選に立候補。民主党候補を僅差で破り、22年の州知事選では民主党候補に100万票以上の差をつけ圧勝した。
デサンティス氏は予備選の有力候補のひとりであり、トランプ氏の最大のライバルと目されていた。
デサンティス氏はSNSに声明を投稿。「勝利への道筋を描くことはできない」と表明した。
一方、もうひとりの有力候補であるヘイリー（Nikki Haley）氏はX（旧ツイッター）に「バイデン（Joe Biden）大統領に勝てるのは私だけだ」と書き込んだ。
デサンティス氏はXに投稿したビデオメッセージで、「私の陣営はすべてを現場に置いてきた」と語った。
「より多くのキャンペーン、より多くのインタビューなど、有利な結果を生むためにできる限りのことをした。そして私は決断した」
デサンティス氏は7ヶ月に及んだトランプ氏とのマッチアップに終止符を打った。
デサンティス氏は声明の中で、「トランプ氏を支持するのは、共和党有権者の大多数がトランプ氏にもう一度チャンスを与えたいと望んでいることが明らかになってからだ」と強調した。
またデサンティス氏はトランプ氏との意見の相違を認めたうえで、「現職のバイデン氏より優れている」と主張した。「それは明らかだ。私は共和党候補を支持するという公約に署名し、その公約を守るつもりだ」
一方、ニューハンプシャー州の集会で演説したトランプ氏は、自身の陣営が「対立候補の一人で、非常に有能な人物がレースから降板するという知らせを受けた」と述べた。
トランプ氏はこう強調した。「デサンティスは我々を支持してくれた。私はデサンティスの支持者が私に投票すると確信しているが、その支持を得ずとも圧倒的な勝利を収めることができる」
トランプ支持者は「俺たちの大統領」「ありがとうデサンティス」「バイデンをナーシングホームへ」などと歓声を上げた。
この集会を主催したフロリダ州選出のゲーツ（Matt Gaetz）下院議員はデサンティス氏を「ダイエット・トランプ」と呼んだ。
集会に参加したトランプ支持者はAP通信の取材に対し、「デサンティスは好きだが、米国の大統領はただひとり、トランプ大統領しかいない。まだ彼の時代ではない」と語った。
