ロブ・ライナー監督殺害、息子を第1級殺人罪で起訴へ、米検察が発表
検察は記者会見で、2件の第1級殺人罪で容疑者を起訴する予定であると発表した。
と息子のニック・ライナー氏(AP通信).jpg)
米ロサンゼルス郡検察は16日、映画監督ロブ・ライナー(Rob Reiner、78歳)氏とその妻ミシェル・シンガー・ライナー(Michele Singer Reiner、70歳)氏が死亡した事件について、次男のニック・ライナー(Nick Reiner、32歳)容疑者を殺人罪で起訴する方針を明らかにした。
検察は記者会見で、2件の第1級殺人罪で容疑者を起訴する予定であると発表した。仮に有罪判決となれば、仮釈放なしの終身刑または死刑が科される可能性がある。
事件は12月14日、ロサンゼルス西部ブレントウッド地区のライナー夫妻の自宅で発生。警察が現場に駆け付けたところ、夫妻は複数の刺し傷を負って死亡していた。発見したのは夫妻の娘であり、警察は数時間、容疑者を逮捕した。
ロブ・ライナー氏はテレビシリーズ『オール・イン・ザ・ファミリー』に出演して広く知られるようになり、『スタンド・バイ・ミー』や『恋人たちの予感』、『ア・フュー・グッドメン』など多数のヒット作を監督した映画界の重鎮であった。
ミシェル・シンガー・ライナー氏は写真家・プロデューサーとして活動し、ハリウッド内外で高い評価を受けていた。夫妻は1989年に結婚し、3人の子どもをもうけていた。
容疑者は過去に薬物依存との闘いを公にしており、その経験を題材にした2015年の映画『ビーイング・チャーリー』で父と共同執筆を行っていた。また関係者によると、事件前日のホリデーパーティーでロブ・ライナー氏と容疑者の間で口論があり、容疑者の挙動を周囲が不穏に感じていたとの情報も報じられている。
検察によると、容疑者は両親と同居していたとされるが、動機は不明。容疑者の認否と死因については公表されていない。
担当検事は16日の記者会見で、殺害に使われた凶器がナイフであることを明らかにし、「最も重い刑が適用され得る」と述べた。なお、死刑追及の是非については現時点で決定していない。
捜査関係者は容疑者が現在も薬物関係の医療支援を受けており、それが完了次第、初公判が行われると説明している。また警察は現場の物的証拠の分析や関係者への聴取を続けているが、事件の経緯については今後の司法手続きで明らかにされる見込みである。
この事件を受けて映画界や著名人からの反応も相次いでおり、多くがライナー夫妻の功績を称え追悼の意を示している。事件の衝撃は映画界のみならず社会全体に波紋を広げている。
