▽トランプ政権は先月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、ベネズエラの麻薬組織「トレンデアラグア」の構成員約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。
とエルサルバドルのブケレ大統領(AP通信)-1.jpg)
米共和党のケネディ(John Kennedy、ルイジアナ州選出)上院議員は20日、誤って米国からエルサルバドルに強制送還され、同国の悪名高い巨大刑務所に収容されている男性について、トランプ(Donald Trump)大統領を批判した。
ケネディ氏はNBCニュースのインタビューで、トランプ氏が犯罪者である米国市民を外国の刑務所に送ることを法律が認めていると思うかと質問された。
ケネディ氏は「認められないし、そうすべきでない」と答えた。「私の判断では、犯罪者を外国に送るべきではない...」
トランプ政権は先月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、ベネズエラの麻薬組織「トレンデアラグア」の構成員約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。
先月末にはエルサルバドルのギャング「マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)」のメンバーとされる17人もエルサルバドルに強制送還した。
政府は送還した移民をギャングのメンバーと呼んでいるが、一部の親族はそれを否定している。
3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ人移民を受け入れている。その中に誤って送還されたメリーランド州在住のガルシア(Kilmar Abrego Garcia)さんも含まれていた。
トランプ氏は米国市民である一部の凶悪犯罪者をエルサルバドルの刑務所に強制送還したいと述べているが、専門家はこれを法律違反と指摘している。
ケネディ氏はガルシアさんの送還を「とんでもないミス」と呼び、「彼がギャングであるかどうかにかかわらず、送還前に公聴会を開くべきだった」と述べた。
最高裁はトランプ政権による敵性外国人法を活用したベネズエラ犯罪者の強制送還を差し止めた下級審の仮処分について、無効とする判断を示した。
一方、最高裁はガルシアさんが誤って送還されたとして、米国への帰還を「促進」するよう政権に命じた。
トランプ政権はガルシアさんを釈放するかどうかは主権国家のエルサルバドルが決めることであると主張し、送還を強制することはできないと述べている。