米コロラド州高校銃撃事件、16歳容疑者、オンラインでネオナチに傾倒か
事件は市内のエバーグリーン高校敷地内で10日の12時24分頃に発生。容疑者を含む3人が病院に搬送された。
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米コロラド州エバーグリーンの高校で発生した銃撃事件について、現地メディアは13日、発砲後に自殺した男子生徒(16歳)がコロンバイン高校銃乱射事件を含む過去の大量殺人事件に魅了され、オンライン上でネオナチ思想を表明していたと報じた。
事件は市内のエバーグリーン高校敷地内で10日の12時24分頃に発生。容疑者を含む3人が病院に搬送された。
容疑者は敷地内で発砲した後、自ら命を絶った。当局によると、容疑者に撃たれた2人は意識不明の重体、病院で治療を受けている。動機は分かっていない。
コロラド州の人権団体ADLが公表した報告書によると、容疑者は昨年12月以降、殺害や暴力の動画を視聴するオンラインフォーラムで活発に活動。その内容は白人至上主義や反ユダヤの主張が混在していたという。
ADLは「生徒のティックトックアカウントには白人至上主義のシンボルが含まれ、アカウント名には人気のあるネオナチのスローガンが含まれていた」と述べている。このアカウントは既に凍結されている。
捜査の結果、容疑者はリボルバーを学校に持ち込み発砲したとのこと。窓やロッカーに弾痕が残っていた。何発撃ったかは分かっていない。
警察が容疑者の自宅を家宅捜索し、発砲に至った経緯を調べている。
コロンバイン高校銃乱射事件は1999年4月20日に米コロラド州リトルトンのコロンバイン高校で発生した大量殺人事件である。犯人は同校の男子生徒2人で、銃や爆発物を持ち込み、校内で無差別に生徒や教師を襲撃した。この結果、12人の生徒と1人の教師が犠牲となり、20人以上が負傷。2人は犯行後、自殺した。
この事件は全米社会に大きな衝撃を与え、銃規制の在り方、学校での警備体制、いじめや社会的孤立、暴力的メディアの影響などが激しく議論された。特に、2人がインターネット上で犯行計画を示唆していたことや、ビデオゲームや映画からの影響が指摘されたことは、若者文化への懸念を強める要因となった。また、学校でのセキュリティ強化や「ゼロ・トレランス政策」が導入される契機ともなったが、その後の米国では銃乱射事件が繰り返され、根本的な問題解決には至っていない。