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アヒルの人形でトレーニングするアザラシが話題に 米ボストン

レゲエは北大西洋沿岸などに生息するゴマフアザラシで、同水族館の屋外展示プールで暮らしている。
2026年2月20日/米マサチューセッツ州ボストンのニューイングランド水族館、アヒルの人形を抱くアザラシ(AP通信)

マサチューセッツ州ボストンにあるニューイングランド水族館で、33歳のアザラシ「レゲエ(Reggae)」が日々のトレーニングに「ラバーダック(ゴム製のアヒルのおもちゃ)」を使った環境エンリッチメント活動を行っていることが注目を集めている。これは単なる遊びではなく、認知能力や身体能力を維持・向上させるための重要な訓練として位置づけられている。

レゲエは北大西洋沿岸などに生息するゴマフアザラシで、同水族館の屋外展示プールで暮らしている。展示プールは地域の岩場を模した環境で、複数のラバーダックを使った環境エンリッチメント活動の動画がソーシャルメディア上で話題になっている。動画には、レゲエが腹ばいで浮かびながらラバーダックを抱きしめたり、ひれでおもちゃの頭を軽くたたくような様子が映っている。

水族館のトレーナーであるリズ・ウェイト(Liz Waite)さんはトレーニング中、魚を入れた銀色のバケツを腰に付けながら、「Target!(目標)」や「Hold it!(持って)」などの指示を出し、レゲエがラバーダックに反応するたびに小さなご褒美を与えている。この活動は記憶力や問題解決能力、集中力などを刺激するために設計されたもので、単に遊ぶだけではなく精神的・身体的な刺激を与えることを目的としている。

水族館によると、こうした活動はアザラシの行動や健康を維持するうえで不可欠であり、ラバーダックを探したり触れたりすることで多様な感覚を使う機会が生まれるという。レゲエはトレーニングに対して落ち着いた反応を見せ、スタッフは「彼の性格は非常に穏やかで、気楽な性格だ」と説明している。レゲエは人間に対する関心も高く、観客が近くで見守る中でも落ち着いてラバーダックを追う姿が見られる。

観覧に訪れた13歳の少年はAP通信の取材に対し、「アザラシがラバーダックを抱きしめるなんて思わなかった」と語った。他の訪問者からも微笑ましい反応が寄せられている。こうした交流は家族連れの来館者にとっても人気の光景となっている。

ニューイングランド水族館では現在、ゴマフアザラシが特に人気で、その多くは水族館で生まれた世代であるという。展示プールは約160立方メートルの大きさで、それぞれのアザラシが親から受け継いだ特徴を持ちながら暮らしている。また、1971年に同水族館で飼育され、のちに人間の言葉をまねることで話題になったアザラシ「フーバー」の血統につながる個体もいる。

一般的に野生のアザラシは約25年の寿命とされるが、水族館で飼育されている個体は適切な獣医ケアや訓練、日々のエンリッチメント活動などにより30年以上、時には40年以上生きることもある。レゲエも高齢ながら元気にトレーニングに取り組んでおり、飼育下での動物福祉の重要性を示す例として紹介されている。

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