◎プエルトリコの電力設備は2017年のハリケーン・マリアで壊滅的な被害を受けた。送電網の復旧は道半ばであり、計画停電が常態化している状態だ。
米エネルギー省は18日、慢性的な停電に悩まされている米領プエルトリコの太陽光発電プロジェクトに3億2500万ドル(約511億円)を拠出すると発表した。
このプロジェクトはコミュニティセンターや医療機関、補助金を受けている集合住宅などにソーラーパネルや蓄電池を設置するものであり、政府が費用の一部を負担する。
エネルギー省のグランホルム(Jennifer Granholm)長官は首都サンフアンの記者団に対し、「安定した電力を必要とする家庭、企業、自治体をサポートする必要がある」と語った。
またグランホルム氏は「このプロジェクトを行うことで、脆弱な発電・送電インフラを改修しやすくなる」と述べた。
プエルトリコの電力設備は2017年のハリケーン・マリアで壊滅的な被害を受けた。送電網の復旧は道半ばであり、計画停電が常態化している状態だ。
先月初めには猛暑の中、大規模停電が発生。約35万人が影響を受けた。
連邦政府の統計によると、プエルトリコの貧困率は40%を超え、発電機を買う余裕のない人が大勢いる。
医療機関は自家発電で何とかしのいでいるが、対応できるレベルには限界がある。
グランホルム氏は南部の海岸沿いの町を訪れた。報道によると、この町は先月の停電で大きな被害を受けたという。
こうした中、プエルトリコの電気料金は9月から4.6%値上げされる予定だ。1kwh当たりの料金は米本土の平均より40%高くなる。