◎プラウド・ボーイズは右翼活動家ギャヴィン・マキンネス氏が2016年に設立した全米を代表する反移民・反左翼の極右組織である。
12月23日、米国の極右組織プラウド・ボーイズの構成員は1月6日のDC暴動に関連する裁判で有罪を認めた。
AP通信などによると、マシュー・グリーン被告(34歳)は司法取引に応じ、事件の捜査に協力することを約束したという。プラウド・ボーイズの構成員が司法取引に応じたは初めて伝えられている。
検察側は「グリーン被告らは議会周辺の警戒ラインを最初に突破し、その後議事堂内に入った」と指摘したが、弁護側は「グリーン被告は議事堂内に入っていない」と主張していた。
グリーン被告は4月、プラウド・ボーイズの構成員であるドミニク・ペッツォーラ被告とウィリアム・ペペ被告に続いて逮捕された。3人は無罪を主張している。
コロンビア特別区の検察検事局によると、グリーン被告は1月5日にニューヨーク州からワシントンD.C.にペッツォーラ被告を含むプラウド・ボーイズの構成員と共に移動し、暴動に参加したという。
裁判所は司法取引に基づき、グリーン被告に51カ月以下の懲役と15,000ドル~150,000ドルの罰金刑を言い渡すと予想されている。AP通信によると、グリーン被告は25年以下の懲役に直面していたという。
警察当局はプラウド・ボーイズだけでなく、他の極右組織の構成員も逮捕している。反政府組織オース・キーパーズの関係者とされる20人以上は、警察と議事堂に対する波状攻撃に関与した容疑などで起訴された。
検察によると、グリーン被告は2020年12月にニューヨーク州のプラウド・ボーイズ支部に加入したという。
翌月、グリーン被告らはワシントンD.C.に移動し、プラウド・ボーイズの構成員であることを隠したうえで、1月6日に行われたドナルド・トランプ大統領(当時)の集会に参加した。
検察によると、グリーン被告は暴動当日、議事堂前の警戒ラインを強行突破し、広場に押し入り、議事堂に通じる階段を最初にのぼった暴動グループの1人だったという。
しかし、グリーン被告が議事堂内に入ったことを示す証拠は見つかっていない。
コロンビア特別区の連邦検事局は23日の声明で、「プラウド・ボーイズは(グリーン被告は)暴動当日、作戦開始のタイミングなどを調整してうえで強行に及んだと認めた」と述べた。
グリーン被告への判決は3月10日に言い渡される予定。
当局によると、これまでに700人以上が暴動に関連する様々な容疑で起訴され、その中にはプラウド・ボーイズの構成員とされる数十人が含まれているという。
プラウド・ボーイズは右翼活動家ギャヴィン・マキンネス氏が2016年に設立した全米を代表する反移民・反左翼の極右組織である。
プラウド・ボーイズのリーダーであるエンリケ・タリオ受刑者は今年8月、大型ライフル銃(2丁)の不法所持と昨年12月にワシントンD.C.で開催された集会中にブラック・ライヴズ・マターの旗を燃やした罪で懲役6カ月を言い渡された。