米ロサンゼルス暴動、州兵投入で抗議デモ激化

ICEの捜査官は6日、ロサンゼルス市内の複数の地区を捜索し、子供を含む数百人の移民を拘束した。
2025年6月8日/米カリフォルニア州ロサンゼルス市内、移民税関捜査局(ICE)に抗議するデモ隊(AP通信)

カリフォルニア州ロサンゼルスで8日、移民税関捜査局(ICE)の摘発作戦に抗議するデモが激化し、一部の暴徒が機動隊と衝突した。

AP通信によると、数千人の抗議者が街頭に繰り出し、主要高速道路を封鎖したり、自動車や建物に火を放ったという。一部地域では略奪も報告されている。

ICEの捜査官は6日、ロサンゼルス市内の複数の地区を捜索し、子供を含む数百人の移民を拘束した。

これに反発した多くの市民が抗議デモを行い、一部の暴徒が機動隊と衝突。逮捕者が出る事態となった。

ホワイトハウスのレビット(Karoline Leavitt)報道官は7日の声明で、トランプ(Donald Trump)大統領がこの無法状態に対処するため、2000人の州兵を動員する覚書に署名したと発表した。

現地メディアによると、約300人の州兵が8日に現地入りしたという。

ロサンゼルス警察は催涙ガス、ゴム弾、閃光弾を使って暴徒を鎮圧した。

警察官たちは拘束された移民が収容されている施設の周辺を重点的にパトロール。州兵はこれらの政府施設に配備され、防衛任務に当たる予定である。

ロス市警はこのデモを違法と宣言し、市民に参加しないよう呼びかけ、大半が夕方までに帰路についた。

現場に残った抗議者たちは市内の公園から椅子やゴミ箱を持ち出し、その場しのぎのバリケードを作り、警察官たちに物を投げつけた

閉鎖された国道101号線南行きの高架橋に集まった抗議者たちは州高速道路パトロールの警察官やパトカーに向けてコンクリート片、石、電動スクーター、花火などを投げつけた。警察官たちは高架下へ逃げ込んで身を守った。負傷者の情報はない。

ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は暴動が続く場合、ペンドルトン基地に駐留する海兵隊も動員する用意があり、部隊に厳戒態勢を敷くよう命じたと警告している。

現地メディアによると、暴動はロサンゼルス中心部の数ブロックで展開されたという。

トランプ氏はカリフォルニア州のニューサム(Gavin Newsom)知事とロサンゼルス市長が職務を放棄したと主張している。

ニューサム氏はこれを否定。州兵の動員は挑発行為であり、事態を悪化させるだけだとトランプ氏を批判した。

トランプ氏は不法移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民対策を導入している。

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