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米サンフランシスコで停電、変電所で火事、復旧作業続く

停電は現地時間の午後1時ごろに始まり、北部地域を中心に広がった。
2025年12月20日/米カリフォルニア州サンフランシスコ(Getty Images/AFP通信)

カリフォルニア州サンフランシスコで12月20日、大規模な停電が発生し、市内の広い範囲で電力が失われたが、21日までにほぼ復旧した。

停電はサンフランシスコをサービスエリアとする電力会社パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)によると、約13万人の家庭・事業所が停電し、市全体の約3分の1に当たる規模となった。

停電は現地時間の午後1時ごろに始まり、北部地域を中心に広がった。多くの家庭や店舗が暗闇に包まれ、信号機が停止した交差点では渋滞が発生し、警察や市当局が対応に追われた。

クリスマス商戦で買い物客が多い週末だったことから、停電による影響は広範囲に及んだ。BARTやMuniなど公共交通機関でも一部運行が制限され、地下駅では停電により列車が運行を停止する区間も見られた。自動運転車サービスのWaymoは安全確保のためサービスを一時停止した。

PG&Eは停電の原因として、北部地区の変電所で発生した火災が電力網に大きなダメージを与えたと明らかにした。火災は午後2時過ぎに報告され、午後6時過ぎまでに鎮火したが、変電設備への損傷は「重大かつ広範囲」であり、修復には時間を要するとしている。これにより電力網が不安定となり、停電の規模を拡大させた可能性があるとして、現在も原因調査を進めているという。なお、火災や停電によりPG&Eの作業員や市民の負傷者は報告されていない。

復旧作業は20日夕方以降から進められ、同日夜までに約9万5000〜11万人に電力が戻った。21日朝までに約11万人への供給が再開され、残りの約2万〜3万人についても復旧作業が進んでいる。PG&Eは修理と安全な電力供給の再開には複雑な作業が必要だと説明しており、すべての顧客への供給再開時期については明言していない。

市当局は住民に対して不要不急の外出を控えるよう促し、911への連絡も慎重に行うよう呼びかけた。また、交通機関利用者や運転者に対しては交通状況への注意を促した。商業施設や劇場なども停電の影響を受け、イベントの中止や営業時間の短縮が相次いだ。

この大規模停電は年末の繁忙期に発生したことから地域経済および日常生活に影響を与え、市当局やPG&Eは再発防止策とインフラの強化に向けた検討を進める方針を示している。

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