米国でパトカーによる追跡劇相次ぐ、8人死亡 2026年4月
専門家の間では、追跡の可否判断をより厳格化することや、GPS追跡装置など代替手段の活用を進めるべきだとの声が強まっている。
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全米各地で警察のカーチェイスに伴う死亡事故が相次ぎ、わずか1週間で少なくとも8人が死亡した。危険性の高い高速追跡のあり方を巡り、改めて議論が高まっている。
AP通信によると、南部アラバマ州では州警察の追跡を受けていた車が道路を外れて樹木に激突し、乗っていた4人全員が死亡した。そのの中には17歳の未成年も含まれていた。事故当時、乗員の多くはシートベルトを着用しておらず、車外に投げ出されたという。事故原因や追跡に至った経緯は調査中である。
テキサス州フォートワースではヘッドライトを点灯せずに走行していた車をパトカーが追跡中、複数の車両に衝突する事故が発生し、逃走していた運転手が死亡した。
さらにカリフォルニア州でも追跡に関連する事故が相次いだ。家庭内暴力の容疑者が逃走中に別の車に衝突し、出産間近の夫婦が死亡したほか、盗難車両がSUVに衝突して運転手が死亡するなど、計3人が命を落とした。
こうした一連の事案は警察の追跡行為に伴うリスクの高さを浮き彫りにしている。米国ではカーチェイスに関連する死亡事故が毎年数百件に上り、一般市民や同乗者を巻き込むケースも少なくない。
2023年には警察政策を研究する団体「警察幹部研究フォーラム(PERF)」が、追跡は重大な暴力犯罪など緊急性が高い場合に限定すべきだと提言した。報告書は一部都市で追跡件数が増加し、それに伴い死亡事故も増えていると指摘している。
しかし現実には、軽微な交通違反や窃盗などをきっかけに追跡が開始されるケースもあり、その結果として重大事故に発展する事例が後を絶たない。警察側には容疑者の早期確保という使命がある一方で、追跡によって第三者の命が危険にさらされるというジレンマが存在する。
専門家の間では、追跡の可否判断をより厳格化することや、GPS追跡装置など代替手段の活用を進めるべきだとの声が強まっている。今回の一連の死亡事故は公共の安全と法執行のバランスをどのように取るかという課題を改めて突き付けた形だ。
