米議会の予算交渉決裂、3回目の政府閉鎖に、ICE改革めぐる対立
専門家は、政府閉鎖が数日から数週間続く可能性を指摘し、影響は航空や災害対応にとどまらず、長期化すれば公共サービスや経済活動への広範な波及効果が懸念されている。
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米連邦議会で国土安全保障省(DHS)の予算をめぐる交渉が決裂し、2月14日未明に同省の一部が予算切れとなり、部分的政府閉鎖に入った。これは第2次トランプ政権発足後、3回目の政府閉鎖である。
閉鎖の直接の原因は与野党間の予算協議が移民税関捜査局(ICE)の業務運営の制限強化をめぐる対立で膠着したことだ。民主党はICE職員の令状なしの家宅捜索を禁止することやフェイスマスク禁止、ボディカメラ使用の義務化などの改革を予算承認の条件にした。これに対して共和党はこれらの要求に応じず、交渉は進展しなかった。議会は当面のつなぎ予算も可決できず、休会に入ったため、予算切れとなった。
閉鎖の対象となるのはDHS全体の予算だが、ICEや税関・国境警備局(CBP)は昨年成立した大型予算により既に多額の資金が割り当てられているため、当面の業務継続が可能である。一方、運輸保安庁(TSA)、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、サイバー・インフラ安全保障庁(CISA)、シークレットサービス、沿岸警備隊などは政府閉鎖の影響を受ける可能性がある。
DHSの閉鎖計画によると、同省職員の約90%は「不可欠業務」とみなされ、給与が支払われないまま勤務を続けることになる。このためTSA職員の大多数も空港で勤務するが、無給状態が長引けばスタッフ不足や空港の保安検査の遅延・混雑が生じるとの懸念が出ている。過去の政府閉鎖では無給勤務が続いた場合に航空便の遅れや欠航、検査待ちの長時間化などが確認され、今回も類似の影響が予想されている。
FEMAは災害対応資金が当面の緊急対応を支えるとしているが、大規模災害が発生した場合には資金不足に直面する可能性がある。また、CISAでは一部職員が休職扱いとなる可能性があり、サイバー攻撃への対応に影響を及ぼすとの警戒もある。沿岸警備隊では人員約5万6000人が無給での勤務となり、国家安全や救命活動に関わる任務のみ継続される。
閉鎖の長期化を避けるため、トランプ(Donald Trump)大統領は交渉に直接関与する姿勢を示しているが、双方の要求の隔たりは大きい。民主党は「国民の安全を守るため改革は不可欠」と主張するのに対し、共和党や政権側は移民取り締まりの強化を優先し、交渉は難航している。議会が再開する2月23日以降も協議が継続される見通しだが、予断を許さない状況である。
専門家は、政府閉鎖が数日から数週間続く可能性を指摘し、影響は航空や災害対応にとどまらず、長期化すれば公共サービスや経済活動への広範な波及効果が懸念されている。過去の政府閉鎖は限定的な影響で終息したケースもあるが、移民政策をめぐる根深い対立は今後の政治潮流にも影響を与える可能性がある。
