◎外務省も27日、米議会の決議に驚きと怒りを表明していた。
パキスタン、首都イスラマバード、シャリフ総裁(Press Information Department/AP通信)

パキスタン下院(定数336)は28日、今年2月の議会選で大規模な不正選挙であったという疑惑に対する独立調査を求める米連邦議会の決議を非難した。

与党議員が提出した米議会の決議に抗議する決議案は26日、シャリフ派の支持を得て採択された。カーン(Imran Khan、収監中)元首相率いる最大会派・パキスタン正義運動(PTI)は反対に回った。

与党議員らはテレビ演説で、「米国の決議は事実に反するものである」と非難。「内政干渉は絶対に許さない」と怒りを爆発させた。

外務省も27日、米議会の決議に驚きと怒りを表明していた。

一方、同省は28日、新しい駐米大使を任命したと発表。「米国との同盟関係は微塵も揺るがない」と強調した。

在米国・パキスタン大使館はその後、別の声明を発表。「我が国は米議会が採択した決議を遺憾に思う」と表明した。

同大使館は次のように述べている。「この決議は明らかに、パキスタンの政治・選挙プロセスに対する不十分で誤った理解から生じたものである。また、パキスタンの内政問題への勝手な干渉でもある...」

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相も米国の決議に怒りを表明したが、獄中のカーン被告率いるPTIはこれを歓迎し、「シャリフ派と選管が議会選で不正を働いた」と改めて主張した。

PTIは2月の選挙で争われた下院265議席中93議席を獲得したものの、政権樹立は叶わなかった。シャリフ派は75議席と獲得。54議席を確保したパキスタン人民党(PPP)などと連立を組んだ。

一方、パキスタンの控訴裁判所は27日、カーン被告とその妻ビビ(Bushra Bibi)被告への実刑判決を支持。夫妻は今年2月、婚姻法に違反したとして禁固7年を言い渡され、控訴していた。

カーン氏は現在、150件以上の訴訟を抱え、ラワルピンディの刑務所に収監中である。

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