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「雪かき」頑張り過ぎないで、心臓に負担、突然死も 米国

ペンシルベニア州では雪かきに関連するとみられる心臓発作などによる死亡例が3件報告されている。
2026年1月26日/米ペンシルベニア州フィラデルフィア、雪かきをする男性(AP通信)

米国東部を中心に冬の嵐が通過した後、「雪かき作業」が心臓に深刻な健康リスクをもたらす可能性があるとして、保健当局や心臓専門家が注意を呼び掛けている。特に高齢者や心臓疾患の既往歴がある人、運動習慣が少ない人は過度な作業や寒冷下での雪かきが致命的な結果につながる恐れがあるとして警戒を強めている。

ペンシルベニア州では雪かきに関連するとみられる心臓発作などによる死亡例が3件報告されている。死亡したのは60~84歳までの男女で、地元当局は市民に対し、長時間の雪かきや無理な作業を避け、頻繁に休憩を取るよう勧告した。

専門家によると、雪かきは激しい身体活動とみなされ、短時間でも心臓にかかる負荷はジムでの激しい運動に匹敵することがあるという。また、寒冷な気温は血管を収縮させ血圧を上昇させるため、心臓への負担をさらに増大させる。これにより、心筋梗塞や脳卒中、心停止といった重篤な事態が引き起こされるリスクが高まるという。

このリスクは既存の心臓病患者だけに限らない。心臓疾患を患っていないように見える人でも、普段運動していない状態で急に雪かきを行うと危険であり、とくに冬季に身体が冷えて血管が縮む状況では心臓に大きな負担がかかる。これについて米国心臓協会(AHA)は、雪かき直後に心拍数や血圧が急激に上昇することがあると警告している。

AHAは雪かきに臨む際の対策として、ゆっくりと作業を進めることや、雪を持ち上げて投げるよりも押す動作を中心にした方が心臓への負荷が小さいと助言している。また、胸の痛みや息切れ、強いめまいなど、心臓発作の典型的な前兆症状に気付いた場合には直ちに救急医療を受けるべきだとしている。

このような心臓リスクは冬季の雪処理だけにとどまらず、寒冷地での屋外作業全般に共通する問題でもある。寒さによって血管が狭まり、心臓への酸素供給が低下すると同時に、身体はエネルギーを補おうと拍動数を上げるため、心臓にかかる負担が増すという生理的な背景がある。

医療関係者はとくに高血圧や高コレステロール、糖尿病、喫煙歴がある人については、雪かきのような重労働を避けるよう勧めている。こうした基礎疾患は心血管リスクを高める要因であり、寒冷環境下での過度な運動は心臓発作の誘因となる可能性があるとされる。

また医師らは、除雪作業を行う前に軽く身体を温めるストレッチやウォーミングアップを行うこと、こまめな休憩と水分補給、重い雪を一度に持ち上げない工夫をすることなども推奨している。これらの対策により心臓へのストレスを軽減し、負傷や発作のリスクを減らすことができるという。

冬季の雪と寒さは自然現象であるが、それに伴う健康リスクを過小評価すべきではない。とくに高齢者や運動不足の人は除雪を無理に行わず、家族や近隣の助けを求めることが安全につながるとの専門家の声が強まっている。

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