◎今回の予備選選挙は今年の中間選挙を占う重要な一戦と位置付けられている。
2022年4月23日/オハイオ州、ドナルド・トランプ前大統領とJ・D・ヴァンス氏(Getty Images/AFP通信)

オハイオ州の共和党上院予備選挙が行われ、ドナルド・トランプ前大統領の推薦を受けたJ・D・ヴァンス氏が勝利した。

ヴァンス氏はオハイオ州史上最大の費用を費やした選挙で見事勝利し、トランプ氏の影響が衰えていないことを証明した。

ヴァンス氏は映画化された著書「ヒルビリー・エレジー(Hillbilly Elegy)」で知られている。

今回の予備選選挙は今年の中間選挙を占う重要な一戦と位置付けられている。

かつてトランプ氏を強く批判していたヴァンス氏は世論調査で劣勢に立たされていた。しかし、選挙戦終盤にトランプ氏の支持を得て急浮上した。

ヴァンス&トランプは先月の集会で契りを交わし、ヴァンス氏は「私が間違っていた」と共和党支持者に謝罪した。

またヴァンス氏はトランプ氏の盟友である億万長者の投資家ピーター・ティール氏から1000万ドル以上の選挙資金を得ることにも成功した。

ヴァンス氏はオハイオ州のブルーカラーを代表する民主党のティム・ライアン下院議員と対決することになる。

ヴァンス氏の勝利集会にはトランプ氏を象徴するMEGA(Make American Great Again)帽子をかぶった共和党支持者がたくさんいた。

ヴァンス氏は勝利演説でトランプ氏を絶賛した。「ライバルたちはこの選挙戦でアメリカ第一主義は死んだ、ドナルド・トランプさんの時代は終わったと証明したかった。しかし、それは間違っていました...」

ヴァンス氏はトランプ氏の保守的な政策を選挙戦で巧みに利用し、中国との貿易競争、不法移民、インフレ、そして「不誠実なジョー(バイデン大統領)」の政策を見直す必要があると繰り返し呼びかけた。

今回の予備選に立候補した上位5人のうち、4人がトランプ氏の弟子であると自負している。

次点のマンデル氏はオハイオ州の元財務長官で、トランプ氏が敗れた2020大統領選を不正選挙と強く非難した。

マンデル氏は保守王国テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員や有力な保守系団体「クラブ・フォー・グロース」など、多くの共和党有力者や団体から支持を集めた。

マンデル氏の支持者の中には、オハイオ州のアウトサイダーと目されるヴァンス氏を支持しないよう、トランプ氏に働きかけていた者もいた。

ヴァンス氏は、「忘れないでください。腐敗した民主党と右派の政治家の間に挟まれた人々は、声を上げる必要があるんです」と呼びかけた。

勝利式典に出席した元弁護士のコントラス氏はAP通信の取材に対し、「ヴァンス氏の権力者にこびない姿勢が評価されたのだろう」と語った。

民主党が中間選挙で敗れれば、バイデン大統領は厳しい政権運営を迫られることになる。

2週間後にはペンシルベニア州の共和党上院予備選が行われる。ここでもトランプ氏の推薦を受けた候補が有利に立っている。

ジョージア州の予備選もトランプ氏が選んだ元フットボール選手が勝利に向かっているように見える。

多くの共和党員が議会議事堂襲撃事件の「主犯格」と非難されたトランプ氏に敬意を表し、退任から1年以上経った今でも、大統領選の勝者はトランプ氏と信じている。

今月末にはペンシルベニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州で注目の選挙戦が予定されている。選挙戦は11月にピークを迎え、議会、知事、州議会の支配権が争われることになる。

トランプ氏の報道官は3日、予備選挙の結果について、「前大統領の推薦がヴァンス氏を圧倒的な1位に押し上げた」と語った。

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