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米ニューヨーク市の看護師ストライキ、2大病院で暫定合意

このストは1月12日に始まり、マンハッタンやブロンクスの複数の大病院で約1万5000人の看護師が参加する、近年で最大規模の医療ストとなった。
2026年1月22日/米ニューヨーク市、ストライキ中の看護師たち(AP通信)

ニューヨーク市内の主要病院における看護師のストライキをめぐり、モンテフィオーレ医療センター及びマウント・サイナイ病院グループの二大病院とニューヨーク州看護師協会(NYSNA)が暫定的な合意に達し、スト終結へ向けた動きが進んでいる。一方で、ニューヨーク・プレスビテリアン病院では引き続き労働者の退勤が継続されており、全面的なスト終結には至っていない。

このストは1月12日に始まり、マンハッタンやブロンクスの複数の大病院で約1万5000人の看護師が参加する、近年で最大規模の医療ストとなった。看護師らは慢性的な人手不足、過重労働、職場の安全性、健康保険制度のあり方、待遇改善などを求めており、交渉は数週間にわたって膠着状態にあった。

モンテフィオーレ及びマウント・サイナイの看護師らが対象とする3年契約の暫定合意は約1万500人をカバーする内容である。主要な条件として、3年間で約12%の賃上げ、看護師の健康保険が追加負担なく維持されること、新たな職場暴力防止策の導入が含まれる。また、トランスジェンダー及び移民の看護師・患者への保護規定や、病院内での人工知能(AI)利用に関する安全措置も協定に盛り込まれている。これらの措置は人員配置の改善や安全な労働環境の確保を目的としたものである。

NYSNA側はこの合意案を協会会員が今週中に批准すべきかを問う投票に付す予定で、成立すれば看護師たちは週末までに職場へ復帰する見込みである。モンテフィオーレの担当者は11日に採決が実施される見込みであると述べたが、それ以外の病院はコメントを出していない。

ニューヨーク・プレスビテリアン病院の看護師らは依然としてストを継続しており、交渉が継続中であるとされる。この病院の看護師たちは他の施設と同様、人員不足や職場の安全性に関する不満を訴え、待遇改善を求めている。両者の交渉状況には依然として隔たりがあるとみられている。

ストライキ中、多くの病院は臨時看護師の採用に追われ、インフルエンザシーズンにもかかわらず通常診療の継続を図ったとされる。病院側は臓器移植や心臓手術などの高度な医療は大きな支障なく進められていると主張する一方で、多くの予定手術が延期または変更される事例も報告された。

NYSNA会長は声明で、「4週間にわたり、厳しい寒さと雪の中で安全な患者ケアのために闘い続けた」と述べ、今回の合意が前進であるとの認識を示した。NYSNAと病院側の交渉は数週間にわたって続いてきたが、今回の暫定合意は労働者の主要な要求の一部を取り入れたものと評価されている。

今回の労使交渉は病院経営トップと現場との間の待遇と労働条件を巡る根深い対立を浮き彫りにした。看護師側は過重労働の改善と職場の安全性強化を強く求め、病院側は既存の給与水準の維持と運営上の柔軟性の確保を重視してきた。この対立が完全に解消されるかどうかは、今後の交渉と各病院での協会会員の投票結果に左右される。

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