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米ユナイテッド航空便でエンジントラブル、緊急着陸も負傷者なし

事故機は東京・羽田行きの国際線で乗客275人、乗員15人の計290人を乗せ12時20分頃に離陸滑走を開始。直後に左エンジンの出力が低下し、火花や煙が発生した。
2025年12月13日/米バージニア州のダレス国際空港(ロイター通信)

ワシントン近郊のダレス国際空港で13日午後、ユナイテッド航空803便(ボーイング777-200ER)が離陸直後に左側エンジンの出力を失い、緊急着陸後、火災が発生した。当局によると、乗客・乗員にケガはなかった。連邦航空局(FAA)や航空会社、空港当局が明らかにした。

事故機は東京・羽田行きの国際線で乗客275人、乗員15人の計290人を乗せ12時20分頃に離陸滑走を開始。直後に左エンジンの出力が低下し、火花や煙が発生した。

ダフィー(Sean Duffy)運輸長官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「離陸直前に左エンジンが故障し、エンジンカバーの一部が機体から離れて地上に落下、草地に引火した」と説明した。消防隊が現場で火災を迅速に消し止めたという。

この事故により運航に若干の影響が出たが、滑走路の完全閉鎖には至らず、他の滑走路での運航が継続された。SNS上には煙が上がる様子を撮影した写真や動画が投稿されている。

FAAによると、機長はエンジン出力の異常を認識し、安全に着陸するために空中で燃料投棄を行った後、午後1時20分頃にダレス空港へ引き返し無事着陸した。燃料投棄は着陸時の重量制限を満たすための措置であり、周辺の安全を確保するためFAAが指示したと見られる。

ユナイテッド航空は声明で、機体は安全に着陸し、ケガ人は確認されていないと発表した。また同社は代替機を手配し、803便の乗客を当日中に目的地へ向かわせる予定であると述べた。空港内のユナイテッドラウンジは一時的に閉鎖され、乗客支援にあたったという。FAAは今回のエンジン故障について調査を進めるとしている。

この種のエンジントラブルは航空機の安全運航にとって重大な事案であり、FAAの調査結果が注目される。航空機のエンジンは厳格な整備基準に基づき運用されているが、故障原因の究明は再発防止に不可欠である。今回の対応では乗員・乗客の安全が最優先され、適切な判断と迅速な措置が取られたとして評価されている。

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