米国「政府閉鎖」、ICE改革で与野党妥協せず、影響拡大
部分的閉鎖は15日未明に始まり、妥協案がまとまる兆しは見られない。
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米国で連邦議会とトランプ政権が国土安全保障省(DHS)の予算をめぐる対立で妥協点を見いだせず、部分的な政府閉鎖が続いている。DHSの予算を9月まで継続するための法案成立をめぐり、与野党は連日交渉を重ねてきたが、移民税関捜査局(ICE)への監督強化などを求める民主党の要求を巡って溝が埋まらないまま15日に期限を迎えた。部分的閉鎖は15日未明に始まり、妥協案がまとまる兆しは見られない。
閉鎖の発端はミネソタ州ミネアポリスでICE職員が米国市民2人を射殺した事件を受け、議会内でICEに対する監督強化を求める声が高まったことにある。民主党はICEについて、ボディカメラの義務化、個別識別番号の表示、マスク着用の禁止、令状なしの家宅捜索の制限など具体的措置を予算承認の条件として提示した。これに対し、トランプ政権と共和党は「現場の安全性と執行の効果を損なう」として反発し、要求の多くを拒否した。
共和党は15日、交渉中に2週間の予算延長を提案したが民主党側が交渉を離脱したと批判。「民主党が交渉から離れたのは近視眼的だ」と述べた。また、DHSの予算委員会を率いる共和党議員も、国境警備と治安維持の強化が政権の優先事項であり、「後退はない」と強調した。
一方、民主党のシューマー(Chuck Schumer)上院院内総務はICEが「免責的な警察力」となっていると批判し、監視と説明責任の強化を主張してきた。民主党が掲げる3つの主要要求として、令状なし捜索の禁止、マスクの着用禁止、執行時の透明性向上が挙げられているが、これらは政権側にとって譲れない一線になっている。
DHS予算が停止したことにより、同省傘下の運輸保安庁(TSA)、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、沿岸警備隊など多くの機関に影響が出ている。ただし、ICEや税関・国境警備局(CBP)については、昨年成立した予算法の規定で予算が確保されているため、執行活動は当面継続する見込みだ。約90%のDHS職員が勤務継続を指示されているが、給与支払いは遅延する可能性があり、現場の不満や生活上の負担が懸念されている。
議会は現在冬季休会中で、2月23日まで再開されないため、妥協と予算承認の動きがすぐには進まないとの見方が強い。専門家は閉鎖が数日から数週間続く可能性を指摘し、空港検査や災害対応といったDHSが担う主要サービスへの影響拡大を警戒している。与野党双方が妥協点を模索する中、解決の糸口は依然として見えない。
