夜型生活は心臓病リスクを高める可能性=研究
調査対象者は自分自身を「明確な朝型」「明確な夜型」「その中間(インターミディエイト)」の3つのタイプのうちどれに当てはまるか回答し、それぞれの心血管健康状態をAHAが定める8つの主要評価指標で評価した。
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米国やイギリスの研究者は夜遅くまで起きて行動するいわゆる「夜型(ナイトオウル)」の生活習慣が、心血管疾患のリスクを高める可能性を示す大規模な分析結果を発表した。研究はアメリカ心臓協会 (AHA) が発行する学術誌JAHA(Journal of the American Heart Association)に掲載され、39〜74歳の約32万人以上のイギリス成人を対象に長期的な健康データを解析したものである。
調査対象者は自分自身を「明確な朝型」「明確な夜型」「その中間(インターミディエイト)」の3つのタイプのうちどれに当てはまるか回答し、それぞれの心血管健康状態をAHAが定める8つの主要評価指標で評価した。この指標は食生活の質、身体活動、睡眠時間、ニコチン曝露の4つの行動要素と、血圧、体格指数(BMI)、血糖値、血中脂質の4つの健康要素で構成される。
解析の結果、夜型と自己申告した人は中間タイプの人に比べて、これらの心血管健康スコアが「不良」に該当する割合が約79%高いことが明らかになった。反対に、朝型の人は中間タイプと比べて心血管健康スコアの不良リスクが約5%低いことが示された。さらに夜型の人は、朝型や中間タイプに比べて心筋梗塞や脳卒中の初回発症リスクが約16%高いという関連も確認された。
研究チームは、このリスク増加の75%が単に就寝時刻が遅いこと自体ではなく、LE8に含まれる他の生活習慣や健康要因によるものであると推定している。具体的には、ニコチンの使用が最も大きく影響し、その関連が全体の約34%を占めた。また、睡眠時間の短さが約14%、高血糖が約12%、体重や食事習慣が約11%に寄与するなど、複数の健康行動がリスク増加に関与していた。
興味深い点として、夜型の傾向が女性では男性よりも心血管健康スコアの低さに強く関連していたが、心筋梗塞や脳卒中のリスクそのものには性差が見られなかった。専門家は女性が夜型生活を続けながら家族の世話など日中の責任を担うことが追加的な健康負担になっている可能性を指摘している。
研究に関わった専門家の1人は、夜型であること自体が直接的な病因ではなく、内部の体内時計(サーカディアンリズム)と社会的な日中中心の生活リズムとの不一致による影響が大きいと説明する。この不一致は睡眠・食事・運動などの健康行動が不規則になりやすい要因と考えられている。
今回の研究結果を受け、専門家らは夜型の人々に対して生活習慣の改善が心血管リスク低減の重要な鍵であると強調している。特に禁煙や食事の改善、定期的な運動、毎日ほぼ同じ時間に就寝するなどの睡眠習慣の規則化は、リスク軽減につながる可能性があると指摘されている。また、睡眠時間の確保や塩分摂取の制限といった小さな行動変容でも心血管の健康維持に寄与すると助言している。
心臓病と脳卒中は依然として米国における主要な死因であり、このような生活習慣の違いが長期的な健康に与える影響は公衆衛生上も注目される。今回の研究は夜型・朝型といった個人の「時間的傾向(クロノタイプ)」が長期的な健康状態とどのように関連するかを考える新たな視点を提供するものとして評価されている。
