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ニッキー・ミナージュがトランプ大統領を称賛、保守派を驚かせる

ミナージュさんはトリニダード・トバゴ出身で、代表曲に「スーパー・フリーキー・ガール」や「アナコンダ」などがあり、これまでにグラミー賞に12回ノミネートされている大物アーティストである。
2025年12月21日/米アリゾナ州フェニックス、ラップ歌手のニッキー・ミナージュさん(AP通信)

米国の女性ラッパーであるニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)さんが21日、アリゾナ州フェニックスで開催された保守系団体の集会「アメリカフェスト」にサプライズ出演し、トランプ(Donald Trump)大統領とバンス(JD Vance)副大統領を称賛した。ミナージュさんは2人を「若い男性のロールモデル」と呼ぶなど、従来の政治的立ち位置から大きく変化した発言として注目を集めている。

この集会は若年層保守組織「ターンニング・ポイントUSA」が創設者チャーリー・カーク(Charlie Kirk)氏の追悼を兼ねて主催したもので、ミナージュさんは同団体の新リーダーであるエリカ・カーク(Erika Kirk)氏との対談形式でステージに登壇した。

エリカ氏は故カーク氏の妻であり、夫の死後、団体の指導的立場を引き継いでいる。

ミナージュさんはこの場で、トランプ氏とバンス氏に対し、「心と魂を持った人々であり、誇りに思う」と述べ、両者への尊敬と支持を表明した。また、保守層の支持を集める言動として、カリフォルニア州のニューサム(Gavin Newsom)知事をトランプ氏が用いるあだ名にちなみ「ニュー・スカム」と呼ぶなど、現政権への賛辞を繰り返した。

ミナージュさんはこれまでトランプ氏に対して批判的な立場を取ってきた過去があり、2018年にはトランプ氏の移民政策による国境での家族分断を強く非難した。自身が幼少時に不法移民として米国に来た経験を語り、「子どもたちの恐怖を想像してほしい」と訴えたこともある。だが今回のステージでは、「意見を変えることは悪いことではない」と述べ、考えの変化を正当化した。

またミナージュさんは、「自分の意見を言うことが物議を醸すのは、人々が思考しなくなっているからだ」と指摘した。また、エンターテインメント業界からの批判にも触れ、「気にしていない」と述べる場面もあった。主催者側はミナージュさんの出演について「勇気ある行動」として感謝を表明した。

ミナージュさんはトリニダード・トバゴ出身で、代表曲に「スーパー・フリーキー・ガール」や「アナコンダ」などがあり、これまでにグラミー賞に12回ノミネートされている大物アーティストである。保守系集会での発言は従来の音楽活動とは一線を画し、彼女自身の政治的立ち位置が変化していることを示す象徴的な出来事として受け止められている。

この出演はポップカルチャーと保守政治の交差点として国内で議論を呼んでおり、支持者と批判者の双方から反応が広がっている。ミナージュさんの今後の発言や政治活動への関与がどのように展開するかは、ファン層や社会全体における影響を左右する重要なポイントとなる可能性がある。

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