◎共和党は過去最高を更新した南部国境の移民の数を減らせとバイデン政権に圧力をかけている。
米ニューヨーク州、移民を乗せたバス(Getty Images)

ニューヨーク市は7日、南部テキサス州などから移民が大量流入していることを受け、非常事態を宣言した。

現地メディアによると、南部の共和党州からNY市に送り込まれた移民はこの半年で1万7000人を超えたという。

テキサス、フロリダ、アリゾナの3州は民主党が支配する地域に移民を送り込んでいる。

南部のメキシコ国境付近には中南米の亡命希望者が長い列を作っており、バイデン(Joe Biden)大統領に圧力をかけている。

NY市のアダムス(Eric Adams)市長は記者会見で、「9月以降、移民を乗せたバスが1日平均5~6台到着している」と説明した。アダムス氏によると、市内のシェルター利用者の5人に1人が移民になったという。

NY入りした移民の多くが学齢期の子供を持つ保護者で、医療と支援を必要としている。

NY州によると、この流入に対処する費用は推定10億ドルと見込まれる。アダムス氏はこの費用を工面するために連邦政府に支援を要請した。

テキサス、アリゾナ、フロリダの共和党3州は移民を受け入れない民主党州を非難し、一部の議員は「NY移民プロジェクト」なる計画を発表している。

3州の当局者は「バイデン政権のせいで多くの移民が流入し対応に苦慮しているため、他の州の支援が必要だ」とし、バス作戦を擁護している。

共和党は過去最高を更新した南部国境の移民の数を減らせとバイデン政権に圧力をかけている。

アダムス氏は「同市の社会サービスが政治利用されている」と指摘した。

NY市は緊急事態宣言の一環として、亡命希望者の支援に予算を投入し、対応策を強化できる行政命令を出す予定だ。

テキサス州政府の報道官は7日、アボット(Greg Abbott)知事の声明を引用し、NY市の非常事態宣言を一蹴した。「真の緊急事態はテキサス州の小さな国境の町で起きています。民主党のせいで毎日何百人もの移民が流入しています。非常事態が必要なのは民主党のせいで窮地に立たされているこれらの小さな町です」

テキサス州政府によると、同州は10月初めの時点で移民約3100人をNYに送ったという。

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