◎火災は9日の午前11時頃(現地時間)に発生した。
1月9日、ニューヨーク州ブロンクス区のアパート(19階建て)で火災が発生し、子供9人を含む19人が死亡、数十人が病院に搬送された。
AP通信によると、出火元は2階と3階にまたがるフロアで使用されていた電気ストーブで、煙はすべての階に広がったという。
ニューヨークのダニエル・ニグロ消防局長はNBCニュースのインタビューの中で、「すべての階で犠牲者を発見した」と明らかにした。「今回の死者数はNYで過去30年の間に発生した火災の中で最悪です...」
ニグロ消防局長は、「煙はアパート全体に広がり、犠牲者の多くが一酸化炭素中毒で死亡したと推定されている」と述べた。
AP通信の取材に応じた生存者の男性は、「ドアの下に濡れタオルを押し込み、浴室で消防士の到着を待った」と語った。
ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は記者団に、亡くなった子供は全員16歳以下と報告を受けていると明らかにした。市当局によると、アパートの居住者の多くは西アフリカのガンビア出身だという。
ブロンクス区にはアフリカのイスラム系移民コミュニティが複数あり、火災に見舞われたアパートもそのひとつだったと伝えられている。
アダムス市長は「病院に搬送された60人以上のうち13人は重篤な状態で、犠牲者はさらに増える可能性がある」と述べた。またアダムス市長は火災に巻き込まれたすべての人に、移民であるかないかにかかわらず当局の支援を求めるよう促した。
ニューヨーク州選出のチャック・シューマ―上院院内総務は会見で、移民を含む全ての被害者とその家族に支援を提供すると約束した。
市当局によると、火災は午前11時頃(現地時間)に発生したという。消防は200人体制で消火にあたった。
ABCニュースによると、アパートは低中所得者層向けの住宅開発プロジェクトの一環として1973年に建設されたという。
この地域から選出された民主党のリッチー・トーレス下院議員はABCのインタビューの中で、「これらのアパートの消火設備は不十分で、火災が発生すると深刻な被害を招く可能性が高い」と指摘した。