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米ニューヨーク市、「殺人事件なし」の最長記録に並ぶ

市警察(NYPD)のデータによると、11月25日から12月7日まで12日間、殺人事件が一件も報告されなかった。
2025年12月4日/米ニューヨーク市(ABCニュース)

ニューヨーク市がこれまで記録されている史上最長の殺人のない期間と並ぶ「無殺人」の連続日数に並んだ。市警察(NYPD)のデータによると、11月25日から12月7日まで12日間、殺人事件が一件も報告されなかったという。

この「12日間」は2015年の最長記録と同数である。

しかし、この無殺人記録は12月7日夜に起きた銃撃事件で破られた。ブロンクス区の市営アパートの階段で38歳の男性が銃撃を受け死亡。NYPDは関係者とみられる人物を拘束し、動機などについて調べている。

また、今年1月から11月までの間、ニューヨーク市では銃撃事件数とその被害者数がともに記録的な低水準だった。銃撃事件は652件、被害者数は812人で、いずれもNYPDの統計開始以降で最少とされる。

さらに、11月の殺人件数も過去最低水準で、月間16件。これは前回の最少記録だった2018年と同数となった。

これについて、NYPDは声明を出し、「正しい戦略と優れた実行、記録を更新するのはその結果だ」と述べ、今年1年、暴力犯罪を歴史的な低水準にまで減らすために犠牲を払ってきた警察官らに敬意を表した。

こうした改善には、治安対策の強化や警察のパトロール増加などが背景にあるとみられるが、一方で今回のような突然の悲劇が起きることで、治安向上の努力を今後も続けなければならないことが浮き彫りになった。長年、凶悪犯罪のシンボルとして語られてきた大都市で、こうした「無殺人」の記録を再び達成できたことは注目に値する。だが、それが治安の“完全な回復”を意味するわけではなく、社会の実情や不安は依然として残る。

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