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小児食物アレルギーに関連する危険因子を検証=米研究

今回の解析は食物アレルギーの発症に関するリスク要因の全体像を整理し、予防や早期介入の可能性を探る上で役立つ一歩となる。
食物アレルギーのイメージ(Getty Images)

米国を中心とする研究で、小児期の食物アレルギー発症に関連するリスク要因が改めて整理され、医学界に新たな知見を提供している。この研究は米国医師会(AMA)が発行する「ジャーマ・ペディアトリクス(JAMA Pediatrics)」に掲載された大規模なシステマティックレビューおよびメタアナリシスで、40カ国以上の190の既存研究を統合し、総計約280万人の子どもを対象にリスク要因の関連性を検証した。

その分析によると、6歳までに食物アレルギーを発症する子どもはおよそ5人に1人という割合に上ることが示された。アレルギーの発症と強く関連する主なリスク要因として、幼少期の喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の既往、生後1カ月以内の抗生物質使用、親または兄弟姉妹に食物アレルギーの既往があること、離乳期での特定食材(卵、魚、果物、ピーナッツなど)の導入の遅れ、人種的背景、そして両親の家庭環境などが挙げられた。これらは比較的確実性の高い因子として位置づけられている。

一方、比較的弱い関連しか示さなかった「出生時の低体重」「帝王切開での出産」「長男であること」などの要素もリスクとして挙げられたが、これらはいずれも因果関係の証明には至っていない。遺伝的背景や皮膚バリア機能に関連する遺伝子多型などが絡む場合もあり、発症には単一要因ではなく多因子が絡み合うという見方が強まっている。

米メディアは専門家のコメントとして「食物アレルギーの発症は遺伝だけで説明できるものではなく、環境要因や腸内細菌叢、皮膚の健康状態などが複合的に関与している可能性が高い」と報じている。複数の要素が重なって初めてアレルギー発症につながるという点が強調された。

研究結果の実用的メッセージとしては、離乳食期のアレルギー対応食材の導入時期を適切にすることの重要性が再確認され、多くの専門家がこの点を強調している。特にピーナッツなどの一般的なアレルゲン食品は4〜6カ月頃から少しずつ導入することが将来的なアレルギーリスク低減につながる可能性が示唆された。

ただし、今回の研究には限界もあり、対象の多くが高所得国からのデータであることや、アレルギー診断における方法のばらつきがあることから、結果の一般化には注意が必要だという。食物負荷試験による確定診断が行われていない研究も含まれているため、今後はより多様な地域・環境を含むデザインと、直接的な因果関係を検証するランダム化比較試験の実施が望まれている。

今回の解析は食物アレルギーの発症に関するリスク要因の全体像を整理し、予防や早期介入の可能性を探る上で役立つ一歩となる。また、遺伝のみならず環境・生理的要因の重要性が裏付けられたことで、今後の研究やガイドライン策定に向けた貴重な材料を提供している。

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