女性の心血管疾患リスク、今後25年間で大幅に高まる 米心臓協会
AHAの予測では、女性の高血圧の有病率は現在の約48.6%から2050年には59.1%に上昇する見込みである。
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米国における女性の心血管疾患リスクが今後25年間で大幅に高まるとの予測を、米心臓協会(AHA)が25日に公表した。AHAが医学専門誌「サーキュレーション(Circulation)」に掲載した声明によると、現在よりも多くの女性が高血圧や糖尿病、肥満などの心血管疾患(CVD)リスク要因を抱える見込みで、2050年には約6割の女性が少なくとも1つの心血管リスク因子を持つ可能性があると警告した。
AHAの予測では、女性の高血圧の有病率は現在の約48.6%から2050年には59.1%に上昇する見込みである。また、糖尿病は約15%から25%、肥満は約43.9%から60%超へと増加が予測されている。これらのリスク要因は心臓病や脳卒中などのCVD発症に直結する主要な要素であり、今後の健康負荷が深刻になる可能性がある。
報告書では、これらのリスク要因の増加が女性や少女の間で広範に進行することも指摘されている。特に2~19歳では2050年までに約3割が肥満になると推定されている。この背景には運動不足や心血管に不利な食生活が依然として改善されていない現状があるとされる。
報告は人種・民族別の傾向の違いにも言及する。高血圧はヒスパニック系女性で最も増加幅が大きく、アジア系女性では肥満が大幅に増えると予測された。また、黒人女性では高血圧や肥満、糖尿病の有病率が全体的に高い水準で推移する見込みである。こうした傾向は社会環境や健康へのアクセス格差などと関連している可能性があるという。
AHAのア会長であるステーシー・ローゼン(Stacey E. Rosen)氏は、「心血管疾患が女性の主要な死因であることを理解している女性は半数に満たない」と指摘し、認識不足がリスク管理を妨げていると述べている。また、一次予防の重要性を強調し、早期の健康管理や生活習慣改善を呼びかけている。
専門家は、予測は現状の傾向を前提としているが、医療コミュニティが生活習慣の改善やリスク因子の制御に取り組めば発症率の低減が可能だと指摘している。具体的には血圧や血糖、コレステロールを改善し、肥満を抑制すれば、心血管疾患や死亡を大幅に減らせる可能性があるとする。
同報告は医療システムや政策が予防医療に力を入れることの重要性を浮き彫りにしており、個人・地域・国レベルでの包括的な対策が求められるとしている。女性の心血管健康に関する注目を高め、早期の対策推進につなげることが課題となっている。
