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子供2人が「THCグミ」を誤食、母親起訴 米テネシー州

THCグミは精神作用を持つ大麻の主要成分THC(テトラヒドロカンナビノール)を含む、またはそれに似せた合成成分(HHCHなど)を含んだグミの総称である。
グミ(Getty Images)

テネシー州で母親が所持していた「THCグミ」を子どもが誤って食べて入院し、児童虐待などの容疑で母親が逮捕・起訴された。監督義務を怠ったとして、州当局が強く警鐘を鳴らしている。

THCグミは精神作用を持つ大麻の主要成分THC(テトラヒドロカンナビノール)を含む、またはそれに似せた合成成分(HHCHなど)を含んだグミの総称である。

当局によると、事件は11月28日に発生。自宅で幼児2人(ともに8歳未満)が意識を失い、母親が消防に通報した。

両親の話では、母親がバスルームに入っている間に子どもがグミを食べ、どれだけ食べたかはわからないという。現場で薬物検査を行ったところ、母親からメタンフェタミンの陽性反応が出た。

子どもたちは搬送先の病院で治療を受け、48時間後には退院したとのこと。だが今回の事案を受けて、子どもたちは州の児童福祉機関の保護下に置かれることになった。

検察は起訴状の中で、被告に対し、「子どもを安全な環境で育てられるよう、まずは依存症の治療を受けるべきだ」と指摘した。母親は児童の保護責任怠慢および危険行為への関与で起訴され、保釈金は2万5000ドルに設定されている。次回の公判は12月16日に予定されている。

なお、テネシー州では21歳以上の成人による「THCグミ」の所持および使用は合法。しかし、検察当局は「合法であっても、子どもの手の届くところに放置すれば重大なリスクになる」と警告し、「大麻入りグミを薬やオピオイドと同様に扱い、鍵付きの場所に保管するよう強く求めたい」としている。

近年米国全土で「大麻入り食品(edible cannabis)」の普及に伴い、誤食あるいは過量摂取による小児の医療搬送が急増している。実際、最近の研究では、幼児の誤食事故はこの5年で約15倍に跳ね上がったという報告もある。

今回のような事件は「合法だから安全」という認識を過信した結果として発生する。どれだけ法規に則った商品であっても、子どもの安全を守るためには、大人が責任をもって管理・保管する必要があると言えるだろう。

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