米国で目薬300万本自主回収、製造上の問題「雑菌混入の恐れ」
FDAによると、今回の回収規模は311万1072本、対象製品は8種類に及ぶ。
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米国で市販されていた点眼薬をめぐり、300万本を超える大規模な自主回収が実施され、医薬品の品質管理体制に対する懸念が広がっている。食品医薬品局(FDA)は3日、ドラッグストアやスーパーマーケットなどで販売されていた複数ブランドの点眼薬について、製造上の問題を理由に回収対象としたと発表した。
対象となったのはカリフォルニア州のK.C.ファーマシューティカルズ社が製造した製品で、CVSやウォルグリーン、クローガー、メイジャーなど全米の主要小売店で流通していた。製品は自社ブランドではなく、各小売業者のプライベートブランドとして販売され、消費者が日常的に使用する一般用医薬品であった。
FDAによると、今回の回収規模は311万1072本、対象製品は8種類に及ぶ。具体的には、ドライアイ用の潤滑点眼薬や人工涙液、充血緩和用点眼薬などが含まれ、いずれも15ミリリットル入りのボトルで販売されていた。特に「Dry Eye Relief」や「Artificial Tears」など、広く使用される製品が含まれている点から、影響は広範囲に及ぶとみられる。
回収の主な理由は、「無菌性の保証ができない」という製造上の問題である。これは製造工程において微生物の混入を完全に排除できていない可能性を意味し、点眼薬のように直接目に使用する製品においては重大な安全上の懸念となる。現時点では実際の汚染や健康被害の報告は確認されていないものの、感染症などのリスクを未然に防ぐため、メーカーが自主的に回収に踏み切った。
今回の措置は2026年3月3日に開始され、その後3月31日にFDAが「クラスII」に分類した。クラスIIは使用した場合に一時的または可逆的な健康被害を引き起こす可能性があるものの、重篤な結果に至る可能性は低いとされる区分である。
流通面ではCVSやウォルグリーンといった薬局チェーンのほか、クローガーやパブリックスなどの食品スーパーでも販売されていた。対象製品は複数のブランド名で展開されていたため、消費者が回収対象かどうかを判別しにくいという問題も指摘されている。ロット番号や使用期限などの詳細情報はFDAが公開しており、消費者に対しては手元の製品を確認するよう呼びかけている。
各小売業者はメーカーと連携し、販売停止や回収対応を進めている。CVSは一部製品について、すでに約1年前に販売を終了していたと説明しつつ、返金対応などに応じる方針を示している。
消費者への注意喚起としては、該当製品の使用中止が求められているほか、使用後に目の痛みや充血、視力低下などの症状が現れた場合には速やかに医療機関を受診するよう勧告している。
米国では近年、点眼薬をめぐる回収が相次ぎ、2023年以降、細菌汚染や製造不備などを理由とする事例が複数報告されている。今回の問題は日常的に使用される一般用医薬品であっても、製造管理や品質保証の不備が重大なリスクにつながり得ることを改めて示した。医薬品の安全性確保に向け、規制当局と企業双方の監視体制の強化が求められている。
