◎狂犬病は中枢神経系に侵入するウイルスによって引き起こされる。治療せずに放置すると、ほぼ100%死亡する。
米ミネソタ州で狂犬病に感染した高齢男性が死亡した。同州保健局が27日、明らかにした。
疾病対策センター(CDC)によると、全米における狂犬病の死亡者は年間10人未満。この男性はミネソタ州西部で今年7月、コウモリに接触した後、狂犬病と診断されたという。
狂犬病は中枢神経系に侵入するウイルスによって引き起こされる。治療せずに放置すると、ほぼ100%死亡する。
しかし、狂犬病の治療は感染後の予防に高い効果があることが証明されている。CDCによると、症状が現れる前に治療を開始することが重要だという。
ミネソタ州保健局は先週、この男性が狂犬病で死亡したことを確認したとしている。
同局は声明で、「男性の周辺で狂犬病に感染した人がいないか確認している」と述べた。
狂犬病がヒトからヒトに感染したという事例はない。輸血により感染したという報告もない。
保健局はこの死亡例について、「コウモリは歯が非常に小さく、咬まれたことに気づかない恐れがある」と指摘。コウモリとの接触を避けるよう勧告した。
また当局は法律で定められているペットの狂犬病予防接種を受けることが重要だと強調した。
米国における狂犬病の死亡者数は1900年代初期の年間100人超をピークに年々減少。近年は10人未満となっている。
CDCによると、感染の7割がコウモリとの接触によるものだという。