◎事件は4月11日の現地時間午後2時頃に発生した。現場はジョージ・フロイド氏が絞め殺されたミネアポリス市から10kmほど北に位置するブルックリンセンターのオーチャードアベニュー近く。
報道によると、米ミネソタ州ブルックリンセンターで交通取り締まりを行っていた警察官が黒人男性を射殺したという。
事件は4月11日の現地時間午後2時頃に発生した。現場はジョージ・フロイド氏が絞め殺されたミネアポリス市から10kmほど北に位置するブルックリンセンターのオーチャードアベニュー近く。
ブルックリンセンター警察のティム・ギャノン署長は声明で、「取り締まりを行っていた警察官は、対象の黒人運転手が未払いの違反切符を持っていると判断しました」と述べた。「男は警察官の要求を拒み、車に乗り込みました」
ギャノン署長によると、男性は車を無理やり発進させ、別の車に衝突したという。「男の運転する車は数ブロック先で別の車に衝突し、警察官は男を撃ちました。その後、警察官と医療関係者は救命措置を試みましたが、男は現場で死亡しました」
警察当局によると、関係する警察官はボディカメラを装着しており、ダッシュボードのカメラも正しく作動していたという。
死亡した男性は20歳のダンテ・ライト氏と特定された。
ABCニュースによると、ライト氏の車に同乗していた女性は別の車との衝突時に重傷を負い、病院に搬送されたという。女性の氏名と詳しい容体は明らかにされていない。
ミネソタ州のティム・ワルツ州知事は声明で、「最新情報を待っています」と述べた。「私たちは現場の状況を注意深く監視しています。発砲に至った経緯を詳細に調査しなけばなりません。ライト氏の家族に心から哀悼の意を表します」
同州のミネアポリス市周辺ではフロイド氏の裁判に合わせてブラック・ライヴズ・マター抗議運動が開催されており、緊張が高まっていた。
事件後、ブルックリンセンターの事件現場周辺に集まった数百人の抗議者は警察と衝突した。ABCニュースによると、警察は催涙ガス弾で群集を分散させることに成功したが、一部の暴徒化した抗議者がパトカーを破壊したという。
死亡したライト氏の母親は地元メディアの取材に対し、「情報を集めています」と述べた。「息子のガールフレンドは自動車保険の詳細を教えてほしいと私に電話をかけてきました...その後電話は切れました」
「1分後、私は彼女に電話をしました。そして、息子は撃たれ死んだと聞きました。息子の遺体は道路に置かれたそうです。誰も私に事件の説明をしてくれません。息子を冷たい地面から解放してください」
ブルックリンセンターのマイク・エリオット市長は声明で、「銃撃は悲劇的だった」とツイートし、当局と協力して調査を行うと約束した。「私たちは平和的な抗議者の権利を尊重します。そして、平和的な抗議者が不当な取り締まりに直面しないことを望んでいます」
現地時間午後9時頃、数百人の抗議者はブルックリンセンター警察本部に向かって進み、その後庁舎の周辺で抗議活動を行った。
当局は庁舎周辺での抗議を違法な集会と認定し、約10分間警告を発したうえで解散を促した。その後、警察官は解散命令を無視した一部の抗議者にゴム弾とフラッシュバンを発射したという。負傷者は報告されておらず、逮捕者が出たかどうかは不明。
取り締まり後、ブルックリンセンターのマイク・エリオット市長は、12日の午前6時まで地域一帯に夜間外出禁止令を課すと発表した。これに伴い、同地域の公共交通機関も全て停止したと伝えられている。
ABCニュースによると、ブルックリンセンターの全ての学校は12日の授業をオンラインで行う予定だという。
ブルックリンセンター・コミュニティスクールのカーリー・ベーカー氏は声明で、「地域内の全ての学校は12日の授業を対面からオンラインに変更します」と述べた。「学校は終日閉鎖されるため、生徒は自宅にとどまり授業を受けてください」