◎ペンス副大統領はトランプ大統領に対し、「1月6日の上下両院合同会議(選挙人投票の集計)で選挙結果を覆すことはできない」と伝えたという。
◎根拠を提示しないトランプ大統領の言いがかりに同調する共和党員(下院:100人以上、上院:13人)は1月6日の票集計に反対する予定。
1月6日、マイク・ペンス副大統領は選挙人投票を集計する上下両院合同会議を開催し、ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏の勝利を正式に認定する予定である。
一方、最後まで戦うと誓約したトランプ大統領は5日の定例ツイートで、「副大統領は不正に選ばれた選挙人を拒否できる」と主張し、ペンス副大統領に圧力をかけた。
各州の選挙人は12月14日の選挙人投票で勝者を決めた。副大統領に選挙人の票を覆す権限は与えられておらず、トランプ大統領は1月20日にホワイトハウスから転居しなければならない。
ABCニュースおよびニューヨーク・タイムズによると、ペンス副大統領はトランプ大統領に対し、「1月6日の会議で選挙結果を覆すことはできない」と1月5日の早いうちに伝えたという。
<今後の予定>
・12月8日:集計締め切り
・12月14日:選挙人投票(538人)
・12月23日:連邦議会に結果を通知
・1月6日:票集計、勝利宣言
・1月20日正午:就任式
1月4日、トランプ大統領は執務室でペンス副大統領と話し、その後ジョージア州のキャンペーン集会に向かったと伝えられている。
その日の深夜、トランプ大統領はジョージア州の共和党支持者に対し、「私は選挙結果を認めない」と訴えたうえで、ペンス副大統領の活躍に期待を表明した。
ドナルド・トランプ大統領:
「私は勝ちました。私はジョージアで勝ちました。しかし、あなたたちの票は操作され、民主党はアメリカの公平な選挙を破壊しました」
「マイク・ペンスはやります。彼は私たち、共和党のためにやってくれます。私たちの偉大な副大統領、アメリカの偉大な副大統領は私たちのためにやってくれます。彼は素晴らしい人です。しかし、彼が失敗すれば、私は彼を嫌いになるでしょう」
「マイクは素晴らしい人です。彼は素晴らしい人であり、賢い人です。彼はやります」
しかし、19世紀に発効した選挙カウント法によると、1月6日の副大統領の役割は形式的なものでしかなく、ペンス副大統領は台本を読み、州の選挙人団の投票結果を開封し、勝者の名を読み上げる以外の権限は与えられていないという。
ペンス副大統領は上院議員との会合および打ち合わせにかなりの時間を費やしていると伝えられている。ABCニュースによると、ペンス副大統領が台本の役割から逸脱する可能性は限りなく低いという。
根拠を提示しないトランプ大統領の言いがかりに同調する共和党員(下院:100人以上、上院:13人)は1月6日の票集計に反対する予定だが、その努力は間違いなく失敗に終わる。
下院または上院議員は、選挙人団の投票結果に異議を唱えることができる。異議に対し、上下両院の議員は最大2時間の討論後、受け入れるかどうかを投票で決める。
結果に異議を唱えている議員は、下院は約25%,上院は10%程度であり、賛成が過半数を上回る可能性は限りなく低い。
ペンス副大統領はトランプ大統領と憲法の板挟みにされたが、5日に自分の立場を明確に示した。
ペンス副大統領は昨年ワシントンD.C.で開催された式典の中で、「私が最初に合衆国憲法を研究して理解し始めたのはティーンエイジャーのときだった。それは、私と憲法の数十年にわたる恋愛の始まりだった」と語っている。
保守派団体クラブ・フォー・グロースの代表を務めるデビッド・マッキントッシュ氏はABCニュースの取材に対し、「副大統領は権力分立に対する非常に深く、根強い敬意に導かれる可能性が高い」と述べた。
デビッド・マッキントッシュ氏:
「彼は憲法の権威を尊重する。彼ができることは限られている」
マイク・ショート副大統領首席補佐官は1月6日の挑戦を歓迎すると述べた。
「副大統領は、選挙の不正行為に対する市民の懸念を共有している」
「副大統領は、下院と上院の議員に与えられた権限の使用を歓迎する。そして、副大統領は憲法に従い、適切に申し立てを処理するだろう」