トランプ大統領は退任までの間に3ダース以上の連邦規制見直しを検討している。
これらの取り消しには何年もかかる可能性があり、ジョー・バイデン次期大統領の足を引っ張ることは間違いない。
目次
承認済みの規則(目次に戻る
環境汚染者に財政的責任を課さない
これにより、有毒廃棄物を流出させた企業(石炭、石油、発電所、科学製造業)などの汚染者に浄化資金を要求する規制が覆された。詳細
政府機関のガイダンスの使用を制限する
いくつかの政府機関のガイダンス(ポリシーステートメント)の使用を制限する。この取り組みは2019年の大統領令から始まり、規制が適用されると変更は難しい。
保健社会福祉省では、食品医薬品局(FDA)からの科学的アドバイスに対するホワイトハウスの影響力が高まる可能性がある。(ホワイトハウスの権力拡大)詳細
企業の発言力強化
これにより事業体は消費者金融保護局に勧告的意見を求めることができるようになった。
消費者擁護派は、大企業が自社に有利なガイダンスを求めることを懸念している。詳細
障害手当の基準変更
脊椎損傷や切断などの筋骨格系障害に対する障害手当の基準を変更した。
社会保障請求者の全国組織の代表者(NOSSCR)などの障害者擁護団体は、資格を得るのがより困難になると警戒している。詳細
航空会社を保護する
ロビー活動に熱心な大手航空会社のロビイストの要請を受け、新規則が発効された。
これにより、企業は公聴会で反撃する力を得ると同時に、不公平を訴える消費者の主張を打ち負かすことができるようになった。詳細
年金制度、投資の選択における環境的および社会的影響の除外
選挙日の直後に最終決定されたこの規則により、年金管理者は、企業が気候変動に与える影響など、財務要因以外に基づく投資を選択することがより困難になった。詳細
ワシントン州、トラック運転手のための食事と休憩の規則を無効化
ワシントン州のトラック運送業界は、全国基準以上の食事および休憩時間を要求する新しい州法を廃止するよう要請し、連邦自動車運送業者安全管理局はその請願を認めた。詳細
高度道路交通システム、一般的なWi-Fiへの電波の再割り当て
連邦通信委員会は、輸送用に予約されていた電波を一般的な無認可のWi-Fi使用に再割り当てすることを承認した。
この変更は自動運転車会社、高速道路安全擁護団体、50の州運輸省および連邦運輸省に反対されていた。詳細
連邦死刑囚に対する薬殺刑以外の死刑方法を許可
この規則により、州は銃殺や感電などの刑を合法にできる。
トランプ政権は連邦の死刑執行を再開したが、ジョー・バイデン氏は死刑廃止を公言している。詳細
メディケア医薬品の割戻しの終了
この規則により、メディケアの仲介業者への製薬会社の支払いは終了した。
健康保険はより高い薬剤費をカバーしなければならず、これに反対していた。
トランプ政権はこの規則が薬価を下げると主張している。詳細
森林局の環境レビューを省略
トランプ政権は森林局が環境レビューを省略できることで、道路、歩道、キャンプ場の維持を容易にすると主張している。
しかし反対派は、当局が環境への害を研究したり、一般の意見を求めたりすることなく、伐採や新しい道路を造ると懸念を表明している。詳細
ビザ保有者の最低賃金を引き上げ、高技能移民の就労ビザを制限
労働者ビザを持つ者の賃金は大幅に高くなる。
一方、アメリカ経済を支える多くの移民候補者は働く機会を制限される。詳細
移民農業労働者の賃金を下げる
この規制は、雇用主が移民の農業労働者に支払う必要のある金額を決定するために使用される規則を変更し、2年間凍結する。
農業労働者グループはこの変更に反対し、アメリカの労働者と移民労働者の両方の賃金を下げると述べた。詳細
非移民ビザ分類プログラムの強化
この規則は移民を後援する雇用主の要件を引き上げる。
当局は仕事により高い学歴を要求した。詳細
ビザの有効期限順守を促す債券の発行
国務省は、ビジネスビザまたは観光ビザで米国を訪れる一部の訪問者に対し、最大15,000ドルの債券を提出するよう要求するパイロットプログラムを作成する。詳細
薬価を国際指数に固定
メディケアは海外で支払われる金額にコストを関連付けることで、処方薬の価格を引き下げる。
しかしトランプ政権は、一般の意見を収集するという重要なプロセスを省略した。当然、製薬会社は新しい政策に反対し、訴訟を起こすことはほぼ確実。詳細
家電製品のエネルギー効率テストの簡略化
この規則により、家電製品(食器洗い機やエアコンを含む)の製造企業は、機器がエネルギー省のエネルギーまたは水効率基準を満たしているかどうかを判断するテスト手順を簡略化できる
環境擁護派は、企業の公表値よりエネルギー効率の低い家電製品が流通すると懸念している。詳細
ホワイトハウスで最終検討中の規則(目次に戻る
衣類洗濯機と乾燥機の効率基準を緩める
この規則により、衣類洗濯機と乾燥機を製造する際の水とエネルギー効率基準が緩和された。
大手メーカーはこの変更に反対していたが、保守派は規制を大幅に削減したいと考えている。詳細
司法省のプログラム、信仰に基づく組織の平等な参加
この規則は、司法省の助成金をめぐって競争する宗教組織の権利を強化し、宗教的慣行の変更を必要とする資金調達条件から組織を保護する。詳細
庇護と撤去の差し控えの手続き
この規則により、庇護希望者は訴訟で証拠を提出することがより困難になる。
また、裁判前の申請猶予時間も短縮され、裁判官が証拠を検討しやすくなる。詳細
移民の事件の解決を邪魔する
この規則は移民の事件を「行政的に終結」させ、国外追放命令を停止する能力に大きな影響を与える。
追放命令の停止はオバマ政権が頻繁に使用したが、この規則により、それは困難になる。詳細
航空会社を温室効果ガス規制から守る
この規則により、航空機やその他の航空機は、温室効果ガス規制なしで運用可能になる。
トランプ大統領はロビー活動に熱心な大手航空会社を世界的な環境保護の潮流から保護した。詳細
株主からの圧力の抑制
この規則は、株主が代理投票を通じて経営幹部に異議を申し立てることを困難にする。
批評家はそれが企業の説明責任と監視を減らすだろうと警告した。
トランプ大統領はロビー活動に熱心な企業経営幹部を株主から保護した。詳細
公正労働基準法に基づくチップ規制
この規則により、雇用者は従業員が受け取ったチップを保護せず、吸い上げることができるようになった。
政府の分析によると、労働者の賃金は減らず、雇用者に恩恵をもたらすとのこと。
チップはサービスや観光部門で働く低賃金労働者の重要な収入源である。詳細
投資顧問にクライアントの投資手数料を提供する
この規則により、ファイナンシャルアドバイザーや金融機関は、クライアントに推奨する投資から手数料を受け取ることを禁止した規則から解放された。詳細
信教の自由ではなく企業の自由を優先
この規則により、営利企業を含む連邦契約を結んでいる宗教的動機のある機関は、労働者の宗教をチェックし、雇うかどうかを判断できるようになった。
トランプ大統領は信教の自由ではなく企業の自由を優先した。詳細
大気浄化法におけるメリットとコストを検討する際の一貫性と透明性の向上
この規則により、環境保護庁は大気汚染の制限を正当化することが難しくなった。
具体的には、「水銀汚染を制限することで温室効果ガスを削減する」などの「補助的な検討」をすることが禁止された。詳細
誤って鳥を殺した場合の罰則の廃止
2017年、魚類野生生物局は渡り鳥保護条約法などに基づき、石油掘削などの産業活動の過程で意図的に鳥を殺すことを禁止した。
しかし、それは今後数か月以内に覆される。詳細
シャワーヘッドの効率基準を緩める
トランプ大統領が「現代の電化製品の水圧は不足している」と公に不満を述べた数日後に現れたこの規則は、シャワーヘッドの効率基準を緩和する。
環境保護論者、配管メーカー、消費者団体、公益事業者は反対している。詳細
フードスタンプの適格性変更
この規則は、他の給付の受領者が自動的に資格を得ないように適格性を変更することで、補助的栄養支援プログラム(フードスタンプ)から約300万人を除外する。
擁護団体は、パンデミックの際により多くの人々が飢餓の危険にさらされると警告した。詳細
環境政策立案からの科学的研究の除外
この規則により、データが完全に公開されていない科学研究を検討する環境保護庁の能力が制限される。
また、データに個人の医療情報が含まれている多くの疫学および公衆衛生研究も除外されることになる。詳細
粒子状物質(すす)の既存の大気汚染基準の維持
この規則は、基準を厳しくすることで毎年数万人の早期死亡を回避できると述べた科学者からのアドバイスを無視し、現在の粒子汚染基準を維持する。
汚染物質は呼吸器および心臓血管の問題を引き起こし、新しい研究はそれをコロナウイルスの死に結び付けている。
トランプ政権が規則を最終承認した場合、より厳しい基準の制定には、少なくとも5年かかると言われている。詳細
庇護資格の根拠を狭める
この規制は、トランプ大統領が庇護資格を制限するよう設定した多くの判例を成文化する。
結果、亡命を求める中央アメリカ人は、命を狙う犯罪者のもとに突き返されることになるだろう。詳細
ホワイトハウスに提案された規則(目次に戻る
低所得者のための手軽な価格の保険を打ち負かす
この規則は、より手頃な健康保険を提供するというトランプ大統領のコミットメントを前進させる。
トランプ大統領は、限られた機能を除いて連邦政府の医療取引所であるHealthCare.govを実質的に廃止し、保険料の引き下げを狙っている。詳細
再入国を求める移民を追い詰める
移民の多くが、裁判所の日付を逃したために国外追放を命じられている。
この規制は、そのような状況下にある移民の訴訟と再入国を求める救済をより困難にする。詳細
法的地位の申請を保留している一部の移民に国外追放の聴聞会を強制する
強制送還の聴聞会を延期するための「正当な理由」と見なされるものを再定義することで、移民はより延期許可を得にくくなる。
結果、聴聞会の延期は許可されにくくなり、移民は追放されるだろう。詳細
学校給食の栄養要件の緩和
農業省は学校給食の栄養要件を緩和し、より多くの塩、小麦粉、フレーバーミルクの使用を許可しようとしている。
ただし、パブリックコメント期間を短くしても、2021年1月20日までの制定は難しいかもしれない。
独立請負業者の定義を広げる
この規則は、従業員を公正労働基準法に基づき独立請負業者と見なす場合の定義を拡張し、UberやDoorDashなどの「ギグエコノミー」企業をバックアップする。
なお、パブリックコメントの期間は通常の半分だった。
労働省は、「規制ガイダンスが欠如しており、適正な規則を今すぐ制定する必要がある」と述べた。詳細
「過小評価された」通貨に基づき、ベトナムに関税を課す
調査によると、ベトナムは米国市場で補助金付きの価格でタイヤを販売しており、関税の法的根拠も築いている。さらに、「過小評価された」通貨が補助金の計算の要素として使用されたのはこれが初めてだという。
この規制は、貿易政策は外国為替市場に介入すべきではないと信じる人々に反対を受けている。詳細
ホームレスシェルターにトランスジェンダーの排除権を与える
この規則により、住宅都市開発省が資金提供するホームレスシェルターは男性と女性の部屋を分ける際、個人の自己識別ではなく、生物学的性別に基づいてトランスジェンダーの人々を各部屋に割り当てることができる。詳細
貨物トラック運転手のパイロットプログラム
現在、貨物トラック運転手の勤務シフトは、開始後14時間以内に終了する必要がある。
この規則は、勤務終了前に勤務時間を延長して、夜間休憩からの再運転を許可することができる。
高速道路の安全管理団体および貨物トラック団体は、規則がドライバーの疲労を悪化させ、事故につながると懸念している。詳細
21歳未満のドライバーのパイロットプログラム
運輸省はドライバーを確保できないというトラック業界の訴えに応えて、18歳、19歳、および20歳の社会人に長距離トラックの運転を許可するパイロットプログラムを提案した。
労働安全グループと交通安全グループはこの規則に反対している。詳細
この規則は、「絶滅危惧種の生息地を指定」して、土地所有者の権利を重視する。
結果、野生生物のために土地が保護される可能性は低くなるだろう。
なお、パブリックコメントの受付期間は通常の60日ではなく、30日だった。詳細
水路と湿地の近くで開発する許可条件を緩める
この規則は、水質浄化法によって規制されている多くの活動の許可を促進する。
また、石油やガスのパイプライン、炭鉱などの開発を促進するだけでなく、管轄水域に浚渫(しゅんせつ)または充填物を排出することも許可されるため、貴重な自然に大ダメージを与えるだろう。詳細
強制送還命令のある移民の労働許可を禁止する
国外追放命令を受けた一部の移民は、しばらくの間アメリカに滞在することになる。(母国が国外追放者を受け入れないため)
この規則は、そのような移民から合法的に働く権利を奪う。
なお、パブリックコメント期間は12月中旬なので、バイデン政権発足前に最終決定される可能性は低いと思われる。
医療規制の定期的な見直しを要求
選挙の翌日に提案されたこの規則は、10年後に医療規制を一掃する。
これらの古い規制をすべて見直すことは、政府機関の予算浪費につながる。また、高度に規制された医療業界を混乱させる可能性もある。詳細
乱獲の制限を緩和する
この規則は、特定の種の漁獲量に上限を設ける際の許容レベルを高める。
なお、同規則は選挙後に公開され、パブリックコメント期間は通常の60日ではなく、2週間だった。詳細
銀行の政治的または環境的配慮に基づく取引の差し控えを防止
この規則は、石油パイプラインや水圧破砕などの高炭素発生プロジェクト、銃器ディーラーなどへの資金提供を容易にする。
貸し手は借り手を純粋に財務指標で評価し、自然などへの潜在的な影響は一切考慮することなくビジネスを行えるようになるだろう。詳細
効率の悪いガス炉と給湯器を制限
この規則は、効率の悪いガス炉と給湯器の将来の使用を「有無を言わさず」制限する。
バイデン政権がこれらの製品の効率基準を引き上げることは、不可能ではないにしても、非常に困難だと思われる。詳細
ホワイトハウスでレビュー中の規則(目次に戻る
選択的中絶から得られた胎児組織の研究の防止
2019年6月、保健社会福祉省は、HIVの治療法を開発するための複数年の助成金を打ち切り、選択的中絶から得られた胎児組織の研究に資金を提供しないと宣言した。
専門家は、この規則がパーキンソン病や糖尿病などの病気の研究を遅らせる可能性があると警告している。詳細
2019年初め、住宅都市開発省は、移民の家族を助成住宅から排除する規則を提案した。
現在、農務省は農村住宅サービスについても同じ提案を行っており、将来、多くの低所得世帯が立ち退きを余儀なくされるかもしれない。詳細
鶏の屠殺速度を上げる
この規則により、鶏肉工場はより速く稼働することを許可される。
しかし、稼働速度を上げることで労災のリスクも上がると言われており、オバマ政権はこの規則に反対していた。
なお、このプロセスには通常約2年かかるため、新政権発足前に最終決定される可能性は低いと思われる。詳細