▽トランプ氏は4月2日まで、米国・メキシコ・カナダ自由貿易協定(USMCA)に該当する商品について、メキシコは関税を支払う必要がないと発表した。
とトランプ米大統領(Getty-Images).jpg)
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は6日、トランプ(Donald Trump)米大統領と素晴らしい電話会談を行い、米国が関税を一時的に緩和する中、安全保障と移民問題に全力を挙げると約束した。
この電話会談の後、トランプ氏は4月2日まで、米国・メキシコ・カナダ自由貿易協定(USMCA)に該当する商品について、メキシコは関税を支払う必要がないと発表した。
シェインバウム氏は定例会見で、「メキシコが米国に輸入する商品のほとんどが協定に準拠している」と述べた。
またシェインバウム氏は交渉の重要な争点である、メキシコから米国に流れるフェンタニルを食い止めるため、両国は引き続き協力していくと強調した。
さらに、「両国は米国からメキシコに流れる銃についても、その数を減らすために努力することを約束した」と付け加えた。
米国は4日、メキシコとカナダの輸入品に対する25%の関税を発動。中国には10%の追加関税を課した。
しかし、ホワイトハウスは翌日、米自動車ビッグ3(フォード、ゼネラルモーターズ、ステランティス)からトランプ氏に関税の発動延期を求める要請があったと明らかにした。
これを受け、トランプ氏は自動車関税のみ、1カ月延期するよう命じた。
この関税はメキシコ、カナダ、そして米国の多くの企業、特に自動車産業に深刻な影響を与える可能性がある。
北米の自動車産業はUSMCAによる国境を越えた商品の移動から恩恵を受けてきた。一部の自動車部品は最終組み立てまでに6回以上国境を越えることがある。
ラトニック(Howard Lutnick)米商務長官は6日、「より多くの製品を関税の対象から外す可能性があり、早ければ6日中に声明を出すと思う」と述べた。
一方、シェインバウム氏は米国の対応を受け、9日のイベントで報復措置を発表することはないとした。
トランプ氏はメキシコとカナダのフェンタニルと不法移入対策に不満を示し、両国が必要な措置を取るまで関税を続けると警告している。
トランプ氏はフェンタニルと不法移民の流入を阻止するために国境警備を強化。中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定したり、不法移民を本国や第三国に送還している。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。
メキシコ政府は米国境に1万人規模の軍隊を展開。カナダ政府もフェンタニル対策を強化した。
米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸してきた。
両国の貿易総額は昨年、8000億ドル(約120兆円)を超えた。