◎移民たちは他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。
メキシコ南部、米国への移住を希望する中南米の移民(Getty Images)

米政府は3日、移民がオンラインで入国を予約・申請できる地域をメキシコ南部の広範囲に拡大すると発表した。

移民は南部チアパス州とタバスコ州で専用アプリを使えるようになる予定だ。これまでは中部と北部の一部地域に限定されていた。

この措置は移民の流れをコントロールする取り組みにおいて、米国と緊密に連携するメキシコ政府の要求に基づいている。

当局によると、この変更により、移民は予約を取るためにメキシコを北上する必要がなくなるという。この変更は近々実施される予定だが、日付は明らかになっていない。

移民たちは他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。

メキシコ外務省は今週、米国との連携強化により、昨年末から拘束される移民の数が激減していると報告していた。

米当局も今年上半期の移民検挙数が激減したと報告。国境付近だけでなく、ほぼ全ての地域で移民の取り締まりを強化しているメキシコに謝意を示した。

メキシコ当局は高速道路の検問所や米国境に通じる鉄道での取り締まりを強化し、そのほとんどをメキシコ南部に戻している。

米国は6月、不法移民の亡命手続きを一時的に停止。その結果、この専用アプリが米国に入国できる唯一の手段となった。

米当局によると、7月の不法移民の検挙数は前月比30%減となり、バイデン(Joe Biden)大統領の就任以来、最も少なくなったという。

移民問題は秋の大統領選の争点のひとつになっている。

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