メキシコ大統領、「チャベス・ジュニア」の身柄引き渡しを希望、米加州で逮捕

シェインバウム氏は定例会見で、「この逮捕状を執行しなかったのは、彼が米国に滞在していたためだ」と語った。
メキシコのボクサー、フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(Getty Images)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は4日、同国のボクサーであるフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(Julio Cesar Chavez Jr.)が米カリフォルニア州で逮捕されたことについて、メキシコで刑に服すことを希望していると表明した。

メキシコの検察当局は前日、チャベス・ジュニアの逮捕状が発行されていることを確認した。

シェインバウム氏は定例会見で、「この逮捕状を執行しなかったのは、彼が米国に滞在していたためだ」と語った。

米国土安全保障省(DHS)は3日、チャベス・ジュニアがロサンゼルスで逮捕されたことを確認。移民税関捜査局(ICE)が2日に身柄を確保した。

チャベス・ジュニアは23年8月にB2観光ビザで合法的に入国。そのビザは24年2月に期限切れとなっていた。
その後、チャベス・ジュニアは24年4月には永住権を申請。米国市民の妻との結婚を根拠にしていた。

DHSはこれを認めず、B2観光ビザの期間を超過して滞在したとして拘束した。

またDHSはチャベス・ジュニアが24年4月に永住権を申請した際、虚偽の申請をしたと指摘している。

シェインバウム氏は「彼が強制送還され、メキシコで裁判にかけられ、服役することを希望している」と述べた。

チャベス・ジュニアはメキシコで組織犯罪および銃器・弾薬・爆発物の密輸に関与した容疑で逮捕状が発行されている。

さらに、チャベス・ジュニアは外国テロ組織に指定されている「シナロア・カルテル」の関係者とみられる。

AP通信によると、チャベス・ジュニアはロサンゼルスの高級住宅街にある自宅の前でスクーターに乗っていたところ、ICE捜査官に取り囲まれたという。

チャベス・ジュニアは先月末、カリフォルニア州アナハイムのPPV興行イベントで判定負けを喫していた。

米当局はチャベス・ジュニアの認否を明らかにしていない。

米国務省は2月、シナロア・カルテルを含む中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定。今月初めにはシナロア・カルテルの一派である「ロス・チャピトス」も外国テロ組織に指定した。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします