中米北米2025年6月13日

米国、組織犯罪への関与疑われるメキシコ人政治家の身柄引き渡し要請か

メキシコのシェインバウム（Claudia Sheinbaum）大統領は12日、「トランプ米政権がメキシコ政府に対し、麻薬カルテルによる組織犯罪への関与が疑われる政治家の調査を迫った」という報道を否定した。

シェインバウム氏は定例会見で、この報道を「フェイクニュース」と指摘。報道のタイミングについても疑問を呈した。

この報道は米国のノーム（Kristi Noem）国土安全保障長官が10日にシェインバウム氏を非難した後に報じられた。

シェインバウム氏はロイター通信の名を出し、「ロイターは米政権がメキシコ人政治家の氏名を明らかにするよう要求しているという記事を掲載したが、これは偽情報である」と述べた。

ロイターは情報筋の話しとして、この要請はルビオ（Maro Rubio）米国務長官とそのチームが、メキシコ当局との二国間会談や会話の中で、少なくとも3回提起してと報じた。

ルビオ氏は麻薬カルテルと関係がある政治家も、「米国で刑事責任を問われた場合、米国に身柄を引き渡すよう要求した」とされる。

ルビオ氏がメキシコ当局に対象の政治家の名前を明らかにするよう要請したかは分からない。

ロイターによると、米国はシェインバウム氏本人や与党・国家再生運動（MORENA）の議員であろうと、現職の公職者を調査するようメキシコ政府に圧力をかけたとされる。

トランプ政権は2月、メキシコのシナロア・カルテルやハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。