◎米南部国境で今年逮捕された移民は昨年に続き、200万人を超えた。
メキシコ南部チアパス州タパチュラを出発した中南米の移民約7000人が徒歩でゆっくり北上している。現地メディアが25日に報じた。
人々は24日、ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官のメキシコ訪問に先立ち、タパチュラのキャンプを出発し、バイデン政権に国境を開放するよう懇願した。
警察当局は子供と女性を含む約7000人がキャラバンに参加したと推定している。
ブリンケン氏は今週、オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領らと会談し、移民問題について協議する予定だ。
米税関・国境警備局(CBP)によると、今月テキサス州などの南西部州で拘束された移民は1日あたり約1万人に達した。
一部の移民は貨物列車に乗って国境を越え、米領内に飛び降りるという危険行為を繰り返している。CBPは今月、テキサス・メキシコを結ぶ2つの貨物路線を閉鎖した。
ホワイトハウスのカービー(John Kirby)戦略広報調整官は25日、「バイデン(Joe Biden)大統領とオブラドール氏は国境を不法に越える移民が急増していることに強い懸念を示している」と述べた。
米南部国境で今年逮捕された移民は昨年に続き、200万人を超えた。
タパチュラを出発したキャラバンは徒歩でゆっくり北上。次の町の公園や道路で野宿し、25日の午前4時頃に動き出した。
そのリーダーたちは「貧困からの脱出」「米国に亡命する」「バイデン大統領は国境を開放してくれる」などと書かれた横断幕を掲げていた。
AP通信によると、移民の多くはキューバ、ハイチ、ホンジュラス出身。バングラデシュやインド出身者もいるという。
その多くがチアパス州の国境検問所で何カ月も前から米国行きの許可証発行を待っていた。
キャラバンに同行している活動家の男性はAPの取材に対し、「このキャラバンに参加した移民の大半が許可証を諦め、北上を決めた」と語った。
米国への亡命には当局の許可証が必要だ。それがなくてもメキシコに入ることはできるが、米国境を正規の手続きで通過することはできない。