米国務長官がメキシコ訪問、問題山積も「良好な関係」強調
この会談は米海軍が外国テロ組織に指定している南米ベネズエラの麻薬組織トレンドアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆したことで影が薄くなった。
とルビオ米国務長官(ロイター通信).jpg)
米国のルビオ(Maro Rubio)国務長官は3日、訪問先のメキシコでシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領と会談し、トランプ政権が不法移民と麻薬カルテルへの大規模な取り締まりを進める中、「メキシコとの安全保障協力はかつてないほど緊密だ」と強調した。
ルビオ氏はシェインバウム氏や他の主要閣僚と会談し、安全保障協力について協議。米国境付近における麻薬カルテル対策など、メキシコ当局の取り組みを称賛した。
ルビオ氏は記者団に対し、「これは米墨関係史上最も緊密な安全保障協力だ」と語った。
会見に同席したデラフエンテ(Juan Ramón de la Fuente)外相もシェインバウム政権とトランプ政権間の安全保障協力における「成果」を強調した。
この会談は米海軍が外国テロ組織に指定している南米ベネズエラの麻薬組織トレンドアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆したことで影が薄くなった。
トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに声明を投稿。この空爆で麻薬密売人11人を殺害したと明らかにした。
ルビオ氏はトランプ氏が麻薬組織との「戦争」を続ける中、「こうした攻撃は再び起きるだろう」と述べた。
米海軍が公開した映像には麻薬密輸船とみられる船が空爆で吹き飛ぶ様子が映っていた。
デラフエンテ氏はこの空爆に対するメキシコの立場を問われると、攻撃を直接批判することなく、非介入と主権尊重への自国のコミットメントを強調した。
シェインバウム氏は「両国は麻薬組織対策の協力を拡大する安全保障協定に近づいている」と述べてきたが、3日の記者会見でも詳細には言及しなかった。
トランプ政権は2月、メキシコに拠点を置く世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルやトレンドアラグアなど、中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定。今月初めにはシナロア・カルテルの一派であるロス・チャピトスも外国テロ組織に指定した。
トランプ氏は移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。南部のメキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な麻薬・移民対策を導入している。
トランプ氏はメキシコ政府が望むのであれば、メキシコ領内で活動する麻薬組織の掃討作戦に「手を貸す」と主張している。