◎世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」や№2の「ハリスコ新世代」はソーシャルメディアなどで米軍専用の銃器を使っていると公言している。
メキシコの麻薬カルテルが米軍の兵器を使用する事案が増えていることについて、米・メキシコ当局が調査を進めている。現地メディアが22日に報じた。
メキシコ軍はカルテルの拠点を取り締まった際、米国で販売されている機関銃、ロケットランチャー、狙撃銃、手榴弾などを押収している。
メキシコ国防省は声明で、「その一部は米軍専用であり、メキシコに持ち込まれた経緯を調査している」と明らかにした。
また同省は米政府に対し、そのような兵器が今もメキシコに流れている可能性があることを伝えたとしている。
メキシコ軍は昨年6月、この数年で麻薬カルテルの拠点から221丁の全自動機関銃、56丁のグレネードランチャー、12丁のロケットランチャーを押収したと発表していた。
世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」はソーシャルメディアなどで米軍専用の銃器を使っていると公言。爆弾を投下できるドローン、C4爆弾、大型ロケットランチャー、自家製装甲車などを使って対立組織や治安当局を攻撃している。
メキシコ国防省は昨年6月、ハリスコ新世代の拠点から大型のロケットランチャー5丁を押収したと発表。シナロア・カルテルでも4丁、他のカルテルからは3丁押収したと明らかにしていた。
駐メキシコ・米国大使は22日、AP通信の取材に対し、「メキシコ当局と先週、この問題について協議した」と語った。
それによると、米政府はメキシコと協力して米軍の兵器が流れた経緯を調査するという。
米軍の兵器は複数のルートでメキシコに持ち込まれたと推定されている。1980年代の中米では米国の兵器があふれていた。