スポンサーリンク
▽メキシコは貿易の多様化を模索しているが、地理的な条件から、短期的に大きな変化を起こすことは難しいとみられる。
左からメキシコ、米国、カナダの国旗(ロイター通信)

メキシコ政府は2月28日、トランプ関税の発動が3月4日に迫る中、米政府に対し、フェンタニルの流入阻止に向けた取り組みをアピールした。

トランプ(Donald Trump)大統領は前日、メキシコとカナダの輸入品に対する25%の関税を予定通り3月4日に発動させると表明。フェンタニルを含む違法薬物の流入が続いていると指摘した。

またトランプ氏はそれに合わせて中国に対し、さらに10%の追加関税を上乗せすると明らかにした。

トランプ氏は米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミニウム製品に25%の関税を課す大統領令や「相互関税」令にも署名済みだ。これは4月に発効する予定。

中国政府は28日、フェンタニルをめぐる米国の関税圧力と恐喝を非難し、逆効果になると警告した。

一方、メキシコのエブラルド(Marcelo Ebrard)経済相は28日、ワシントンDCでラトニック(Howard Lutnick)商務長官らと会談。X(旧ツイッター)への投稿で、友好的な実務会談だったと明らかにした。

またエブラルド氏は「米国とメキシコは共に働く素晴らしい未来がある」と付け加えたが、3月4日の期限については言及しなかった。

メキシコは貿易の多様化を模索しているが、地理的な条件から、短期的に大きな変化を起こすことは難しいとみられる。

両国の貿易総額は昨年、8000億ドル(約120兆円)を超えた。

メキシコ政府は27日、米国の麻薬取締官などを殺害した罪で服役していた1980年代の大物を含む、麻薬カルテルの幹部など、29人を米国に引き渡した。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。

米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク