◎メキシコと国境を接する米国の都市に鉄道はほとんどなく、旅客鉄道は皆無といっていい。
メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は10日、同国と米国を結ぶ旅客鉄道を建設するという政府与党の計画は次期政権が引き継ぐと表明した。
それによると、10月1日に就任する後任のシェインバウム(Claudia Sheinbaum)次期大統領は首都メキシコシティから米国のいくつかの国境都市を結ぶ旅客鉄道3路線の建設を計画しているという。
オブラドール氏は定例会見で、「次期大統領は約3000キロの旅客鉄道を建設する計画を承認している」と語った。
シェインバウム氏も最近、この計画に言及し、電気式の高速鉄道を建設すると表明していた。
メキシコと米国を結ぶ貨物列車のほとんどがディーゼルである。
シェインバウム氏は「メキシコシティから米テキサス州に近い北部ヌエボラレドまでの約1100キロを結ぶ旅客鉄道を建設する計画だ」と述べていた。
シェインバウム氏はこの建設費用を220億ドル(約3兆500億円)と見積もっているが、実現できるかどうかは不明である。
またシェインバウム氏はメキシコシティと第2の都市グアダラハラを結ぶ鉄道も計画しており、その費用は30億ドルとした。
さらに、6年間の任期中に時間があれば、その路線を米アリゾナ州近くの国境都市まで延伸させたいと述べた。
メキシコと国境を接する米国の都市に鉄道はほとんどなく、旅客鉄道は皆無といっていい。メキシコ側も同様である。
専門家によると、両国の国境都市を結ぶ旅客鉄道はある程度の資金があれば建設可能。ただし、それを数千キロ離れた主要都市に延伸するのは至難の業だという。