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メキシコ農相、米国と牛の輸入再開協議へ、スクリューワームハエ症流行

スクリューワームハエ症は寄生性のハエであるスクリューワーム(主に新世界スクリューワームと旧世界スクリューワーム)の幼虫によって引き起こされる感染症である。
メキシコの牧場(Getty Images)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は23日、ベルデゲ(Julio Berdegue)農相が来週ワシントンDCを訪問し、メキシコ産牛の輸入再開に向けて協議すると明らかにした。

ベルデグ氏はスクリューワームハエ症(蠅蛆症)をめぐって米国との緊張が高まる中、ロリンズ(Brooke Rollins)農務長官と会談する予定だ。

シェインバウム氏は定例会見で、「国境開放で合意できることを願っている」と述べた。

スクリューワームハエ症は寄生性のハエであるスクリューワーム(主に新世界スクリューワームと旧世界スクリューワーム)の幼虫によって引き起こされる感染症である。

このハエは哺乳類や人間の生きた組織に産卵し、孵化した幼虫が皮膚や粘膜に侵入して組織を食い荒らすことによって病変が進行する。

一般的な蠅蛆症では死んだ組織にウジが寄生する場合が多いが、スクリューワームの場合は生きた健康組織を侵食するため、特に危険性が高い。

スクリューワームハエは昨年末から中央アメリカを経て北上し、メキシコ奥深くまで侵入しており、最大の貿易相手国である米国との関係を緊張させ、両国の畜産部門に打撃を与えている。

米国は5月にメキシコ産牛肉の輸入を停止した。

ロリンズ氏はメキシコ政府の対応を公に批判している。メキシコは米国と国境を接する北部ヌエボ・レオン州でスクリューワーム感染を確認したが、封じ込めに成功したと報告している。

人間に感染するケースは稀ではあるが、発展途上国や医療アクセスが限られた地域では報告例も多く、特に高齢者、乳幼児、寝たきりの患者などがリスクにさらされやすい。都市部でも、ゴミの不適切な処理や不衛生な環境が感染リスクを高める要因となっている。

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