メキシコ海軍の医療飛行機が墜落、5人死亡 米テキサス州沖
墜落前、航空管制との通信が約10分間途絶していたことが明らかになり、原因の究明が進められている。
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メキシコ海軍の医療飛行機が22日午後、米テキサス州ガルベストン沖で墜落し、搭乗していた8人のうち少なくとも5人が死亡した。地元当局が23日、明らかにした。
墜落前、航空管制との通信が約10分間途絶していたことが明らかになり、原因の究明が進められている。飛行機はメキシコからの医療ミッションの一環として、重度の火傷を負った子どもを米国の専門病院へ搬送中だった。
メキシコ海軍によると、機内には海軍の士官4人と民間人4人が搭乗していた。民間人の中には火傷患者の米国搬送を支援する非営利団体に関係する人物や、搬送される子どもが含まれていた。事故発生後、米沿岸警備隊などによる救助活動が行われ、2人が救出されたが、1人は依然行方不明である。
墜落直前に通信が途絶したことについて、航空管制は約10分間連絡が取れなかったと説明しているが、具体的な理由はまだ判明していない。事故当時、ガルベストン湾付近では濃霧が発生して視界が悪かったとされ、気象条件が判断や操縦に影響を与えた可能性が指摘されているが、確定的な情報は出ていない。捜査当局が事故機のブラックボックスや通信記録の解析を進めている。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は23日、遺族に哀悼の意を表し、「非常に悲劇的な出来事であり、亡くなった海軍士官や搭乗者の家族に心からの哀悼を示す」と述べた。ただし、事故原因や安全対策についての詳しい言及は避けた。
米連邦航空局(FAA)と国家運輸安全委員会(NTSB)が現場で調査を進めており、原因究明には時間がかかる見込みだ。
墜落現場は人気のビーチリゾート地に近いガルベストン島と本土を結ぶ湾で、周辺住民や通行中の船舶が救助活動に参加した。
子どもを支援していた非営利団体はX(旧ツイッター)への投稿で犠牲者に哀悼の意を表し、家族支援と活動継続への意志を示した。同団体はこれまでにも多くのメキシコの重傷児を専門ケアのために国外へ搬送する支援を行ってきた。関係者は今回の悲劇的な事故に深い悲しみを示す一方で、同様の支援活動が継続されるべきだとの立場を強調している。
一方で、通信途絶や気象条件などを巡っては今後の調査が重要となる。航空事故の専門家は、管制との連絡が途絶えた要因として機器の故障や気象現象、操縦上の判断ミスなど様々な可能性を挙げており、事故調査の結果次第では、軍用機の運航安全や国際医療搬送の手順見直しに繋がる可能性があるとしている。
